斬新なSUV「シティライン」は非常にユニークかつ魅力的なモデルです。どこか見覚えのあるデザインが目を引きますが、一体どんなクルマなのでしょうか。
■“10人乗れる”超スゴい「大型SUV」販売中!
インドには、民族・言語・文化も多様な14億の人々が暮らしており、自動車市場の様子も日本とは全く異なる状況。
そのため道路上には、日本ではとても考えられない風変わりなクルマも数多く走行しています。
なかでも今回注目したいのが、ムンバイに本拠を置く現地の自動車メーカー「フォースモーターズ」の開発した斬新なSUV「シティライン」です。
フォースモーターズは、設立から60年以上もの歴史を持つ、由緒正しい自動車メーカー。
過去にはメルセデス・ベンツとの業務提携をしていた時代もあり、先進国のメーカーの技術を学びながら成長した現在は、主にバスやトラックなど小型商用車やSUVをラインナップしています。
そんなフォースモーターズが2023年4月11日に発売したシティラインは、なんと4列シートを搭載した10人乗りという設定を持ち、しかも既視感がありまくるデザインを採用している点も見逃せません。
シティラインのデザインには、本格高級SUVとして名高いメルセデス・ベンツの「Gクラス」を想起させる、角張ったタフなデザインを採用。
ヘッドライトは丸目ではなく、オリジナル性の高い角張った形状となっていますが、それでもどこかで見たとしか言えないボディのディテールを覆せるものではありません。
ボディサイズは、全長5120mm×全幅1818mm×全高2027mmと非常に大柄な車体。
車体構造にはトラック譲りのラダーフレームを採用し、これに先述した4列シートを搭載して、10人の乗員がしっかり着座できるパッケージングを見事に成立させました。
気になるパワーユニットは、最高出力90馬力・最大トルク250Nmを発揮する、2.6リッター直列4気筒ディーゼルエンジンを搭載。
組み合わされるトランスミッションが5速MTのみという硬派な設定も、日本から見るとユニークです。
サスペンションは、フロントが独立懸架式のダブルウィッシュボーン式で、後輪が板バネのリーフスプリングという強度の高い設計も、道路の舗装に頼れないインドならではの構造といえます。
車両価格は159万3953ルピー(約287万円)と、ボディサイズや見た目の高級感と比較すればお買い得に思える設定。
ただし、最新モデルでありながら快適装備や安全装備は必要最低限で、先進安全支援機能はもちろんラジオやスピーカーすら搭載されません。
シティラインの公式サイトでは、同車のアピールポイントとして「大型の窓」「スタイリッシュなウィンカー」「ボディ同色の前後バンパー」が掲げられるほどに潔い仕様となっています。