トヨタが2021年12月14日に開催した「バッテリーEV戦略に関する説明会」では、16台のEVが世界初公開されました。この中に含まれていた「bZスモールクロスオーバー」とは、どのようなモデルなのでしょうか。
■トヨタの新型「超コンパクトSUV」登場へ?
トヨタが2021年12月14日に開催した「バッテリーEV戦略に関する説明会」で、一挙に16台のEVを世界初公開したことは記憶に新しいところ。
その中でも、同社のEVシリーズの「bZ」を冠するモデルが5台発表されており、当時すでに市販化が発表されていたbZ4Xに続き、2023年4月には中国で「bZ SDN」の市販モデルとなる「bZ3」が発売されています。
そうなるとこの中から次に市販されるbZシリーズが何になるのか気になりますが、注目度が高いのが5台の中で最もコンパクトなボディサイズを持つ「bZスモールクロスオーバー」でしょう。
当時の説明会ではトヨタの豊田章男社長(当時)は「ヨーロッパや日本を意識した、小さくても快適な室内をもつバッテリーEV」と紹介。
5ドアハッチバックタイプと思しきボディサイズは、現在のトヨタのクロスオーバーSUVの中で最もコンパクトな「ヤリスクロス」よりもさらにコンパクトに見えるものとなっていました。
ヨーロッパでは「ヤリス」よりもコンパクトなサイズのエントリーモデルとして、「アイゴ」というモデルが販売されています。
このうち、現行型の3代目となる「アイゴX」はクロスオーバーテイストを持ったモデルとなっていて、全体的なボディスタイルなどはこのbZスモールクロスオーバーに似た雰囲気のため、アイゴXのBEV版という立ち位置になる可能性もありそうです。
コンパクトボディである以上、駆動用のバッテリーはサイズが限られてしまうため、大容量バッテリーを搭載し航続距離を稼ぐというのは難しいですが、走行1kmあたりの必要なエネルギー量が125Whという、コンパクトSUVクラストップの電費を目指して開発しているとアナウンスされています。
そうなれば、日常のアシとして必要十分な航続距離と、買いやすい価格設定ができれば一躍人気車種となることも夢ではないでしょう。
なお、bZシリーズの車名は「Beyond Zero」で、「Zeroを超えた価値の創出を目指す」という意味。数字はボディサイズを、最後のアルファベットはボディタイプを表しており、この法則性からするとbZスモールクロスオーバーは「bZ1X」となる可能性が高そうです。
BEVも国内外のさまざまなメーカーがラインナップするようになり、日常的に見かける機会も増えてきましたが、大型モデルか軽自動車という両極端なものが中心。
もし登場するのであれば、このクラスのBEVを待っていたという人は少なくないのではないでしょうか。