トヨタの「ライズ」や「ヤリスクロス」などを筆頭に、幅広い年齢層から人気のコンパクトSUVですが、海外には日本で展開されているトヨタ車よりも更に小さいSUVが存在しています。一体どのようなクルマなのでしょうか。
■5速MTや特別な音響仕様もある、コンパクトSUVとは?
コンパクトSUVは、その経済性と使い勝手の良さから多くのユーザーに選ばれており、特に都市部での駐車のしやすさや、ちょっとした買い物での積載性が魅力です。
日本で一番のシェアを誇るトヨタにも、「ヤリスクロス」「ライズ」「カローラクロス」といった様々な車種がラインナップされており、1人暮らしのユーザーからファミリー層まで、幅広い世代から人気を博しています。
しかし、海外にはそんな3台よりも更に小さいコンパクトSUVが展開されています。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマとは「アイゴX(クロス)」です。
同車は欧州市場において、手頃な価格で高い利便性とポップなスタイルを提供するコンパクトSUVとして存在感を放っています。
2005年に「アイゴ」としてデビューした初代モデルは、Aセグメントと呼ばれる小型車クラスに属し、軽快で手軽な移動手段を求める都市部のユーザーに支持されました。
当初のアイゴは、日本で販売されている「ヤリス」(当時は「ヴィッツ」)よりも小さなサイズで、コストパフォーマンスに優れたエントリーモデルとしての役割を担っていました。
2021年には現行モデルとなる3代目が発表され、アイゴからアイゴXへ改名。
これまでのアイゴの魅力を継承しつつ、クロスオーバータイプとしての新しい魅力が加わりました。
ボディサイズは全長3700mm×全幅1740mm×全高1510mm、ホイールベースは2430mmと、同社が日本で販売しているライズ(全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm、ホイールベース2525mm)と比較しても、全幅以外はコンパクトなサイズ感です。
また、最小回転半径は4.7mと非常に小回りが効くのも大きな魅力です。
プラットフォームは、同社のコンパクトカー「ヤリス」などと同じTNGA GA-Bプラットフォームを採用しています。
エクステリアは、ウェッジシェイプのルーフラインが採用され、スポーティな印象を引き立てています。
大型のフロントグリルやフォグランプ、そしてスキッドプレート風のバンパーデザインを加えることで、タフで力強い印象も兼ね備えたデザインとなっています。
また、ボディのリア部分やルーフにはブラックアウト処理が施され、大胆な2トーンルーフを採用。
若々しく先進的なスタイルが強調されています。
インテリアは、シンプルながらもシャープなデザインが特徴です。
余分な装飾を排し機能を厳選することで、ミニマルで洗練された雰囲気を演出。
また、スポーティな造形がドライビングに集中できる空間を実現しています。
パワートレインは、最高出力72馬力・最大トルク93Nmの1.0リッター直列3気筒エンジンを搭載。
トランスミッションにはCVTまたは5速MTが組み合わされ、駆動方式にはFFが採用されています。
グレードも販売国によって異なりますが複数展開されており、2024年10月にはスピーカーなどで知られる音響機器製造会社「JBL」とのコラボレーションによって誕生した特別仕様車「JBL スペシャルエディション」が登場しています。
このクルマには、特別製作されたオーディオシステム「プレミアムJBLサウンドシステム」を標準搭載しており、クリアかつダイナミックな大音量のサウンドを楽しむことが可能です。
なお価格は販売国によって異なりますが、一例としてフランス市場では1万8900ユーロ(約314万3000円)から販売されており、トヨタがフランスで展開するクルマのなかでも、特にコストパフォーマンスの高いモデルとしてラインナップしています。