走りを追求したクルマは世界にたくさんありますが、ホンダの“VTECエンジン”を搭載した「アトム」はその筆頭とも言えるクルマです。
■ホンダ「タイプR」の最強エンジン搭載!
アリエル・モーター・カンパニー(以下、アリエル)は、英国を本拠としてライトウエイトモデルを製造・販売している自動車メーカーです。
その代表ともいえるモデル「アトム」は、まるでフォーミュラカーのような感覚で運転できる本格的なスポーツカーとして人気を集めています。
アトムは、アリエルが2000年から製造・販売している、2人乗りのライトウエイトスポーツモデル。
以降、搭載エンジンなどを変更し走行性能を高めつつ進化を続け、2003年に「アトム2」、2007年に「アトム3」を発売するなど、これまでに数々のアトムシリーズを手掛けてきました。
現在は、2018年にデビューした「アトム4」を3万9975ポンド(約780万円)で販売しています。
アトム4のボディサイズは、全長3520mm×全幅1800mm×全高1122mm。
重量は595kgと非常に軽いことが特徴で、これほどまでに軽い理由はボディ構造にあります。
アトムはエンジンとフロントの一部が架装されているだけで、他はボディのパイプフレームがむき出しの状態です。
また、屋根やドアは無く、フロントガラスも無いので、運転席と助手席の前にはわずかに小さな風防があるのみ。
もちろんエアコンやオーディオも存在しません。つまり、アトムはシンプルの極みといえるデザインになっています。
このパイプフレームむき出しのボディに搭載されるパワーユニットは、最高出力320馬力のホンダ製2.0リッターエンジン。
“K20Z4型”という「シビック タイプR」に用いられているもので、これをミッドシップレイアウトで配置しています。
そしてメーカー公表の最高速度は260kmとなっていますが、もっと注目すべきは加速の速さ。
車重が軽いこともあり、0-100km/h加速は2.8秒と、日産GT-R NISMO並の加速力を誇ります。
また、0-160km/h加速でも6.8秒と驚異的な数字です。
さらにECUチューンのオプションを追加することで、エンジンパワーを350馬力までアップさせられるため、その場合はさらに強力な加速が得られるとのこと。
ちなみに2023年には、最高出力405馬力という、エンジンをさらにチューンアップした特別モデル「アトム4R」も発表されています。
同車のボディにはエアロパーツが追加されており、「究極のドライバーズカー」といえる1台に仕上がっていました。
この「アトム4R」は世界5台限定で、価格は6万4950ポンド(当時の日本円で約1170万円)という高額モデルだったことも、多くの人を驚かせました。
※ ※ ※
このようにアリエルのアトムは、ライトウエイトスポーツカーの極みともいえるクルマです。
日本でもナンバーを取得すれば公道走行可能なため、すでに業者によって輸入され人気を得ています。
フォーミュラカーのような走行感覚を公道でも楽しみたい人にはうってつけの1台かもしれませんね。