2023年1月、スズキは「ジムニー」5ドアモデルをインドで発表しました。その後2年近くが経過しようとしていますが、日本国内ではまだ販売されていないのでしょうか。
■衝撃のインドデビューから2年近くが経過
2018年7月5日にフルモデルチェンジした4代目「ジムニー」「ジムニーシエラ」は、発売から6年が経過する現在も人気が衰えることを知らず、納期はいまだに1年以上といわれています。
そんななか、インドで2023年1月にジムニーの新ラインナップとして5ドアモデルが発表されました。注目の“5ドア”ジムニーはいつ日本市場に導入されるのでしょうか。
スズキがインドで「ジムニー5ドア」を発売することを発表したプレスリリースには、後席に専用のリアシートと内装を採用した新規の5ドア仕様車で、ボディサイズが全長3985mm×全幅1645mm×全高1720mm、ホイールベース2590mm、エンジンは1.5リッターガソリン、トランスミッションは5速MTと4速ATであることを伝えています。
3ドア版のジムニーシエラのボディサイズは、全長3550mm×全幅1645mm×全高1730mm、ホイールベース2250mmですので、ジムニー5ドアは、全長がプラス435mm、ホイールベースはプラス340mmとなります。
インドのマルチスズキの公式ウェブサイトで公開されるスペック表を見ると、エンジンはジムニーシエラと同じ「K15B型」が採用されています。最高出力と最大トルクはわずかな違いがありますが、これは排ガス規制など仕向け地によって仕様が少し異なるためでしょう。
ジムニー5ドアは「ZETA」と上級グレード「ALPHA」のラインナップで、現地車両価格は127万4000ルピー(約231万円)から147万9000ルピー(約269万円)となっています。
インドは日本と同じクルマは左側通行ですので、現地のモデルも右ハンドル仕様です。
ここまでくると、ジムニー5ドアの日本発売は簡単そうで、その日は近いと思われる方が多いことでしょう。
時間がかかるとすれば、日本の保安基準や排ガス規制への仕様変更程度ではないかとも考えられます。
しかしスズキから、日本でジムニー5ドアを発売する予定についての正式アナウンスはありません。
SNSなどでは、ジムニー5ドアの国内発売を熱望する声があがっており、なぜジムニー5ドアが国内発売されないかの予想も見ることができます。
なかには、スズキは日本でジムニー5ドアを水面下で進め、国交省の型式認証を取得しているという真偽不明な情報もあります。
■並行輸入モデルの販売価格は「高級車」並みに!
2024年1月に開催されたカスタムカーイベント「東京オートサロン2024」では、並行輸入業者がインドから逆輸入したジムニー5ドアが出展され話題となりました。
またその後も複数の並行輸入業者がジムニー5ドアの販売をしており、中古車市場でもごくわずかですが流通しているのを確認できます。
並行輸入車の車両価格は、購入時の為替レートによって変動し400万円台後半となっており、納期は2カ月程度の見込みとなっているようです。中古車市場でも同様に400万台後半の価格でいくつか確認できます。
インド現地価格に比べると2倍程度で、諸費用含めると500万円オーバーの高級SUVクラスのプライスとなっており、200万円程度で買える3ドアモデルのように気軽に手に入れることはできないようです。
また並行輸入車は、スズキのディーラーで点検や修理といったアフターサービスを受けることができません。パーツは流用できそうですが、維持は容易とは言い難いでしょう。
もしスズキが正式にジムニー5ドアを販売するとしたら、ジムニーシエラの価格を考慮すると、250万円あたりとなることが予想されます。300万円に近い価格やそれ以上となると、売れ行きが厳しくなるのではないでしょうか。
ひょっとすると、インドから逆輸入して日本で販売できるように仕様変更をするなどのコストが高くつくことや、為替などの複合的な理由で、マーケットに受け入れられる価格設定が難しいかもしれません。
あるいは、SNSではジムニー5ドアの日本導入を待ち望む声が目立っているだけで、マーケティングリサーチの結果、スズキが日本市場導入のためのコスト回収が現段階では難しいと見込んだのかもしれません。
いずれにしても推測でしかありませんが、スズキが公式発表をしていない以上、いつ発売されるかわかりません。
そろそろかも知れませんし、発売されない可能性もあります。
気長に待つしかなさそうです。