2016年に広汽ホンダから13年ぶりの復活を果たした「アヴァンシア」ですが、日本でかつて製造・販売されていた時からどのような歴史を辿ってきたのでしょうか。
■昔はSUVじゃなかった! 「アヴァンシア」の歴史とは?
ホンダの海外モデルには、かつて国内で販売していたモデルの名称が残っているものもあります。
一例として2016年に13年ぶりの復活を果たした「アヴァンシア」が挙げられます。
日本でかつて製造・販売されていた時から、大きく姿を変えて登場しましたが、一体どのような歴史を辿ってきたクルマなのでしょうか。
アヴァンシアは、かつて日本で1999年から2003年まで展開されていました。
当時の北米向けセダン「アコード」のプラットホームを使用し、一見するとステーションワゴンに見えるボディを持ちながら、4ドアクラブデッキ(現在ではシューティングブレイク)と称して、新たなサルーンの形を提案するモデルでした。
最大の特徴は、圧倒的に広く快適な室内空間です。
室内寸法は長さ2055mm×幅1480mm×高さ1215mmを確保し、これは当時のトヨタ「クラウン」や日産「セドリック」などの名だたる上級サルーンを凌駕するものでした。
実際に後席スペースは大人が余裕で足を組めるほどだったといいます。
また、前席と後席にそれぞれ独立したエアコンシステムを搭載したり、温かみのあるファブリック素材をパネルや各ピラーに採用するほか、大きな木目調ガーニッシュを纏うなど、上質な空間を演出していました。
パワートレインは、最高出力150ps・最大トルク 206Nmの2.3リッター直列4気筒エンジンと、最高出力215ps・最大トルク272Nmの3リッターV型6気筒エンジンを設定。
2.3リッターモデルには4速AT、3リッターモデルには5速ATが組み合わされ、駆動方式はFFまたは4WDから選択可能でした。
そんなアヴァンシアですが、同社のステーションワゴン「アコードワゴン」とユーザー層が被ってしまったことや、「オデッセイ」などをはじめとした3列シートミニバンの存在が大きく影響し、販売台数低迷によって2003年に生産終了となりました。
それから13年の時を経て、アヴァンシアは2016年に広汽ホンダのフラッグシップSUVとして中国で13年ぶりに復活。
エクステリアにはクーペスタイルを採用し、かつてのステーションワゴンの面影はなく、大きく生まれ変わっています。
フロントフェイスはホンダのフラッグシップミニバン「オデッセイ」を彷彿とさせるデザインとなっており、フラッグシップSUVとしての存在感を放っています。
また、ブラック加飾が施された「Magic Nightバージョン」や、特別仕様の「1万台記念パッケージ」も設定されているのが特徴です。
インテリアも同様に高級感あふれる華やかな空間が広がっており、ブラックのほか濃い赤色も選択できます。
パワートレインは、最高出力187馬力・最大トルク243Nmの1.5リッター直列4気筒エンジンにCVTを組み合わせた「240 TURBO」と、最高出力261馬力・最大トルク370Nmの2リッター直列4気筒エンジンに9速ATを組み合わせた「370 TURBO」の2種類を設定。
駆動方式は前者がFF、後者はFFと4WDから選択可能です。
なお価格は、240 TURBOが23万9800元(約513万7000円)から、370 TURBOが27万9800元(約599万3000円)からで販売されています。