神奈川・東京の東名高速が「破滅的な渋滞」になっています。「集中工事って意味ある?」という投稿がネット上で議論を呼んでもいます。
■首都圏の東名 集中工事が続く中
神奈川・東京の東名高速が「破滅的な渋滞」になっています。
これは、東名で集中リニューアル工事が行われているからです。開通から50年以上経過し、舗装下の高架床版をはじめ、老朽化が「維持補修ではどうにもならない」レベルにまでなってきたため、集中的に工事をおこなって、最低限の規制で一気に片をつける、予算1兆円規模の巨大プロジェクトです。
この渋滞に対し、「集中工事って意味ある?」という投稿があり、ネット上で議論を呼んでもいます。
11月1日現在、2か所で車線規制などをともなう工事を実施中。予定も含め、具体的には以下のとおりです。
●東京~東名川崎
上下線で、2024年11月上旬ごろまで、昼夜連続で、「車線幅縮小」(片側3車線のまま)が行われます。
都県境にある「東名多摩川橋」のリニューアル工事のためです。
●東京~大井松田
上下線で11月9日まで、昼夜連続で、「車線規制と夜間IC閉鎖」が行われます。
道路設備の全般的なリニューアルを行うほか、大和トンネル周辺の「4車線化工事」も順次行われています。
なお、土日祝日は工事は休みとなり、規制も解除されます。連休中も規制はありせん。
●横浜町田→海老名
下り線(静岡方面)で、11月9日から2026年2月下旬ごろまで、昼夜連続で、「車線幅縮小」(片側3車線のまま)が行われます。
これも引き続き、道路設備の全般的なリニューアルを行うほか、大和トンネル周辺の「4車線化工事」が順次行われる予定です。
■「大渋滞でやる意味あるの?」投稿に反応多数!?
投稿では渋滞する東名下り線のようすを上から撮影した動画とともに、「夜22時に東名が集中工事で渋滞。ここまでやる意味はあるのでしょうか」といった内容で嘆息する内容でした。
この投稿に対し、6000件近いリポストや450件近いリプライがついています。
「すごい渋滞」「料金払う意味全くない。メリットないよね」「掘って埋めるだけのことしてるだけです やる意味ないです」「国民のこと考えてたらこういう判断は普通しないですよね」などの同調意見があるなか、それを圧倒するのが、集中工事を行うことは仕方が無いことだと、反論する意見です。
「今やっておかないと年末までに終わらなくなってもっと酷い渋滞になってしまう」「メンテナンスしなかったら使えなくなってしまう」「やらないと道路の損傷が加速度的に進みますよ」など、工事の意義について述べる意見も。
それをさらに上回るのが、「そもそも集中工事があるから、事前に迂回を検討してくれって、告知があっただろ」という声です。
NEXCO中日本は「激しい渋滞が予測されますので、専用WEBサイトをご確認の上、迂回のご検討をお願いいたします」と公式発表やSNSで連日のように呼びかけているほか、テレビCMでも集中工事の期間や場所、迂回について呼びかけています。
また「東名 工事」と検索すれば、東名リニューアル工事を細やかに解説した「工事専用の特設サイト」が上に表示され、真っ先にアクセスできるようになっています。
一般道路でも、道路情報板に「東名 集中工事」などと告知が行われているところがあります。
それでも迂回せずに東名へ行くというのは、「渋滞を覚悟している」もしくは「何も考えていないので自業自得」とネット上で判断されても仕方がないのかもしれません。
先述の投稿には、投稿内容に対し「誤解を招く可能性がある場合、ユーザーが協力して役に立つノートを追加することで、より正確な情報を得られる」という目的の「コミュニティノート」が掲示されています。
コミュニティノートには「高速道路は経年劣化するために保守が必要です」「集中的に保守作業をすることによって全体での規制日数を減らすことができます」「集中工事の日程は公開され、公表されています。これを避けて移動することも可能です」という3点が、それぞれNEXCOなどの発表リンクとともに記されています。
もし目の前の渋滞風景を見て、「怒りに任せて」同調しようとした人も、あらためてこれらの背景情報に触れることで、いったん冷静になれるという仕組みになっています。