大変革を遂げたトヨタ「クラウン」4シリーズのうち、ラストを飾る「クラウンエステート」の発売が近づいています。広い荷室が特徴ですが「車中泊」も可能なのでしょうか。
■新型「クラウン“エステート”」はシリーズ最大の室内空間が特徴
2022年7月15日にワールドプレミアを果たした16代目トヨタ「クラウン」は、従来とは異なる4つのシリーズ展開となったことで話題を呼びました。
すでに3つのシリーズが発売済みですが、ラストを飾る4番目のモデルはどのようなクルマなのでしょうか。
そもそも「クラウン エステート」は、1999年から2007年に販売された11代目クラウンに設定されていたステーションワゴンに使われていた名称です。
新型はステーションワゴンとSUVのいいとこ取りをしたクロスオーバーSUVに進化しました。今年2024年に発売されれば17年ぶりの復活となります。
公式ウェブサイトでは「後席のフルフラットデッキ」という文言が用いられ、ユーティリティの高さに注目が集まっており、SNSなどでは「クラウン エステートで車中泊は可能なのか」といった反響が目立っています。
はたして新型クラウン エステートは、車中泊可能なパッケージングになっているのでしょうか。
新型のボディサイズは、全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mm、ホイールベースは2850mmで、ラージSUVに属する大きさとなります。
公式ウェブサイトでは、パワートレインがHEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド)の2種類で、駆動方式は4WDのみ、タイヤサイズは21インチ、乗車定員5名ということが明らかにされていますが、それ以外のスペックなどは不明です。
16代目クラウンシリーズ最大だという荷室の広さが気になるところですが、そのヒントとなるのは、北米のトヨタで販売される新型「クラウン シグニア」にありました。
新型クラウン シグニアは、いわば新型クラウン エステートの北米版です。
北米の発表によると、新型クラウン シグニアの荷室長は6.5フィート(約198cm)となっています。
各地で先行展示されている新型クラウンエステートの実車や、北米の新型クラウンシグニアを紹介するウェブサイト上のラゲッジ画像などを見ると、倒した後席のシートバックに若干の傾斜があるものの、凹凸のない「フルフラットデッキ」な空間が広がっています。
さらに後席の足元空間を埋める拡張ボードも設置されており、荷室長は相当に余裕があることがわかります。
また以前の取材では、トヨタ販売店の担当者から「トランクスペースの長さは180cmほどあるので、よほど大柄な人でなければ、大人2人が横になれる」との話を聞いています。
ただ車中泊を想定した設計ではないとも話しており、あくまでも余裕のラゲッジを持つラージSUVというキャラクターを重視しているようです。
ともあれ、新型クラウン エステートは「車中泊“も”可能」と考えて大丈夫そうです。
いっぽう室内高についてはミニバンなどに比べると余裕はなく、車内での着替えなどはちょっとやりづらそうです。
そして、新型クラウン エステートの車中泊で気をつけたいのは、「車中泊中のエアコンの使用」です。
PHEVを選べば、長時間の停車中でもエンジンを始動させずにエアコンが使用できそうですが、そのあたりは仕様が明らかになってからあらためて確認をしたほうが良いでしょう。
多くのPHEVモデルでは、駆動用バッテリーを使用しエアコンを稼働させるため、バッテリーの残量によってはエンジンが始動し充電をおこなうことがあります。
キャンプ場などで車中泊する際、アイドリングは一切禁止とされています。また車中泊可能な駐車場などでも、同様にアイドリングが法令違反にもなることがあるので注意が必要です。
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正式発売が待たれる新型クラウン エステートですが、公式ウェブサイト上では「2024年年央以降発売予定」となっています。
2024年11月現在、すでに「年央」は過ぎてしまいましたが、「もう少しだけお待ちください」といった状況のようです。