大阪の都心部と郊外をつなぎ、淀川を新たな橋で渡る都市計画道路「新庄長柄線」の整備が進行中です。一体どのような道路で、どこまで進んでいるのでしょうか。
■大阪都心部の「橋空白地帯」解消へ
大阪の都心部と郊外をつなぎ、淀川を新たな橋で渡る都市計画道路「新庄長柄線」の整備が進行中です。
一体どのような道路で、どこまで進んでいるのでしょうか。
新庄長柄線は、谷町筋・天満橋筋の延長線上として、毛馬から淀川を渡って東淀川区へ入り、淀川通へつながる都市計画道路です。
このあたりは橋と橋が離れていて、天神橋筋の「長柄橋」から城北筋の「菅原城北大橋」まで、約3kmにわたって「橋空白地帯」となっています。
さらに東淀川区にとって、キタ・ミナミ方面へ行くには「いったん城北公園通をとおる」「いったん淀川通を西進する」など迂回せざるを得ず、どこもかしこも信号渋滞が顕著で、心理的に遠くなっています。
新庄長柄線が全通すれば、東淀川区から国道1号、天満橋、上本町方面まで直結ルートが誕生することになり、従来の長柄橋ルートに比べてスムーズな移動が期待できます。
気になる進捗ですが、現在は東淀川区側の「菅原工区」が事業中です。
ここは、堤防沿いを走っていた淀川通が北東へ向きを変える部分です。もともと4車線ですが、40m幅へ拡幅し、淀川を渡る橋が駆け上がっていくスペースを確保します。
菅原工区の用地取得率は、2024年3月時点で88%です。
肝心の「淀川渡河部」ですが、まだ事業化していません。また2026年までを見据えた「都市計画道路の整備プログラム」でも、「着手へ向け取り組む路線」にリストアップすらされていません。
淀川南岸の都島区内も同様です。
今後の動向ですが、まずは橋のたもとの菅原工区が完成に近づくとともに、淀川渡河部が2026年以降の新たな「整備プログラム」にリストアップされるかどうかが、注目点と言えるでしょう。ここにリストアップされないと、今後10年間はほぼ何も進まないということです。
とはいえ、過去の事業再評価でも「淀川渡河部については、財政状況が厳しく、財源の確保が図れた段階で事業着手を行う」という赤裸々な記述が見られます。
万博を見据えた大プロジェクト「淀川左岸線」関連の土木工事に注力している大阪市。ひとまずこれが一段落しないと、道路計画の順番待ちの列は進みそうにない状況かもしれません。