石川県小松市にある「日本自動車博物館」。こちらは日本最大級の自動車保有台数を誇る博物館なのですが、その中には非常に貴重な車両もあります。今回は超小型モビリティ「フライングフェザー」について、詳細とSNSなどの反応を見てみましょう。
■「フライングフェザー」に「こういうのイイ」の声も
石川県小松市には日本最大級の自動車を保有する「日本自動車博物館」があります。国産大手メーカーの有名自動車から海外のメーカーが少数生産したスポーツカーなど、さまざまなクルマが展示されており、多くの来場者を楽しませてきました。
その中でも特に珍しい車両が「フライングフェザー」です。当時は運転免許不要で運転できたこの“超コンパクト”なモビリティについて、その詳細とSNSなどのユーザーの反応を紹介します。
フライングフェザーは1955年、住江製作所によって製造されました。同社は老舗織物メーカーとして知られる住江織物の子会社です。デザインしたのは富谷龍一氏。その後富士自動車に入社し「フジキャビン」を手掛けるなど、超小型経済車の開発に尽力しました。
ボディサイズは全長2767mm×全幅1296mm×全高1300mmとなっています。日本を代表する超小型自動車スバル「360」のボディサイズが全長2995mm×全幅1300mm×全高1360mmなので、それより小さいことになります。
ルーフは布製の幌を、車体は薄鋼板をそれぞれ使用。この車体はハンドメイドで製作されているそうです。乗車定員は2人。その外観からもわかるように車体重量も軽く、わずか400kgしかありません。
内装は、ハンドルの他に計器数個、それにボタンが数点付いているだけで極めてシンプルなデザインになっています。しかし、シートやダッシュボードなどのレトロ感は、今から見るとオシャレに思えます。
パワートレインは、最大12.5馬力、最大トルク約2.2kgf-mを出力する空冷V型2気筒OHVと3速MTの組み合わせ。駆動方式はRRを採用しました。タイヤにはオートバイ用のワイヤースポークリムと19インチタイヤが使われています。
また、フライングフェザーは当時の法規制だと運転免許が不要だったそうです。さらに前輪ブレーキの未採用といった簡素化を実施。とにかく機能的なモビリティを目指したことで、1955年当時の話ではありますが、新車価格を38万円にまで抑えています。
しかし当時の市場には受け入られず、翌年の1956年には生産中止になりました。総生産台数はわずか200台程度だそうです。
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特徴的な要素を併せ持ったフライングフェザー。この車両について、ユーザーたちの反応を見てみましょう。
まず見かけたのは「こういうの良いよね」「免許要らなかったのか」などの意見。過去の車両ながら、その魅力に気づかされる人がいました。
また、2005年に公開された映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に出ていたことを思い出す人も登場。「六さんが自分で直して乗り回してたんですよね」といった書き込みも見られました。