2024年11月現在、ホンダにはBEVの市販モデルは存在していませんが、海外ではEV専用ブランドが設けられています。なかでも戦闘機のようなデザインのセダンが特徴的なのですが、一体どのようなクルマなのでしょうか。
■ホンダの次世代スポーツセダンとは?
ホンダは日本で軽自動車からミニバンまで幅広いボディタイプのクルマをラインナップしています。
パワートレインには、主にガソリンエンジンやホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」が用いられており、2024年11月時点ではBEV(バッテリーEV)のモデルは展開されていません。
しかし海外ではBEVモデルも展開されており、EV専用のブランドも存在しています。
なかでも、まるで戦闘機のようなデザインを持つ漆黒セダンが特徴的なのですが、一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマとは、ホンダが中国で展開するブランドEV「e:N」シリーズの「e:N GTコンセプト」です。
同車は、e:Nシリーズから2022年春に登場したSUVタイプの「e:NS1」と「e:NP1」に続く新たなラインナップを示唆するモデルとして、公開されたコンセプトカーです。
このシリーズは、「New」や「Next」を象徴する「N」の字を冠し、カーボンニュートラルの実現を目指すとともに、次世代に向けた新しい価値の創造にチャレンジするとしており、ホンダは今後10車種以上の投入を予定しているといいます。
また、輸出展開も考えられており、中国市場から世界へとホンダのBEVを届けるという意欲が伺えます。
そのなかでe:N GTコンセプトは、e:NS1とe:NP1、「e:NP2 プロトタイプ」や「e:NS2 プロトタイプ」、また2026年までの発売を目指しているという「e:N COUPEコンセプト」と「e:N SUV コンセプト」に続くシリーズ第4弾として登場し、2025年以降の市販化が見込まれています。
ホンダの新しいBEV専用アーキテクチャを採用しており、これまでのホンダの設計理念やDNAを受け継ぎつつ、電動車ならではの革新的な性能と体験を提供することを目指しています。
具体的には、「人とクルマが一体となる特別な運転体験」を重視し、BEVながらもホンダらしい「走りの楽しさ」を追求した設計となっています。
エクステリアは、近未来的なデザインでありながらも、スポーティな印象を強調しています。
低く幅広なシルエットとシャープなラインを基調としたボディは、どこかSF映画の近未来車両を彷彿とさせます。
また、直線的なデザインが多用されており、角張ったシンプルな形状が視覚的に力強さを演出。
さらに、4ドアセダンのように見える構造を採用しており、実用性とスタイリッシュさを両立させています。
パワートレインなどの詳細なスペックはまだ公表されていませんが、ホンダの関係者は「圧倒的な走行性能」を提供することを示唆しています。
これは、ホンダが持つモータースポーツで培われた技術とEV技術の融合によって実現されるものであり、BEVでありながらもパワフルで軽快な走行が楽しめるよう工夫されていると思われます。
そんなe:N GTコンセプトは単なるBEVにとどまらず、次世代のモビリティ体験を提示するものです。
クルマの電動化が進むなか、ホンダはその先進技術でドライバーに新たなドライビングプレジャーを提供し、環境負荷の少ないサステナブルな移動手段を提案しています。