三菱「デリカD:5」は2019年にビッグマイナーが行われ、その後も改良が加えられています。クロカン並みの悪路走破性を誇る個性派ミニバンとして知られていますが、どのような魅力があるのでしょうか。
■ミニバンなのにクロカン並みの悪路走破性が魅力!
三菱「デリカD:5」は、積載性・利便性に優れたミニバンのボディに、クロカン並みの悪路走破性を誇る4WDを組み合わせた独自の個性を持ち、根強い人気を誇ります。
2019年にビッグマイナーチェンジが行われてデザイン変更や装備も充実。高級ミニバンとなったデリカD:5の魅力とはどのようなことなのでしょうか。
「デリカ」は初代モデルが1968年に登場。小型トラックとしてデビューしたのですが、これをベースにシェル(キャビン)をつけたバンが翌年に登場。当時は商用車のみで販売されましたが、エンジンは乗用車と共通でした。
デリカの個性となっている本格的な4WD機構を搭載するモデルは、1979年に誕生した「デリカスターワゴン」あたりから。
画期的だった「1BOXボディ+4WD」のアイデアで、十分なロードクリアランス(車高アップ)のアイデアも取り入れられ、特に2代目「デリカスターワゴン」(デリカとしては3代目)は1986年から2013年まで生産された超ロングセラーモデルでした。
そして、1994年に誕生した「デリカスペースギア」からは乗用車路線に。1990年代は「パジェロ」をはじめとするクロカン全盛期で、アウトドアブームだったこともあり、オフロード色の強いモデルは「RV(レジャービークル)」と呼ばれて人気を博していたのです。
その流れを汲んだデリカスペースギアは2代目パジェロをベースに開発。それまでのキャブオーバーから現在まで続くフロントエンジンモデルに変更されました。
ラダーフレームにモノコックを融合させ、パジェロ譲りの4WD機構を組み合わせたほか、パワートレインは、3リッターV型6気筒や2.8リッターディーゼルターボなど4種類を用意。
足回りも凝った作りになっていましたが、4WDの影響で床が高かったため室内長を稼ぐためさらに全高まで高くなった、スーパーハイトなミニバンでした。
その後2015年にデリカD:5へと進化。ボディデザインは直線基調となったもののデリカスペースギアの系譜を受け継いでいます。
そして2019年、三菱のアイデンティでもある「ダイナミックシールド」顔へとチェンジしながら、運転支援システムや装備も充実され、高級ミニバンへと進化しています。
そんなデリカD:5について三菱ディーラーのセールス担当に話を聞いたところ、ファミリー層はもちろん、今までSUVに乗っていたアウトドアスポーツ好きな人が乗り換えるケースも増えているとのこと。
では、デリカD:5に乗っているオーナーは、どのようなところに魅力を感じているのでしょうか。
神奈川県のSさん(40代・男性)は、夏はサーフィン、冬はスキーを楽しむアクティブ派。ビッグマイナーチェンジ前のD:5から変更後のD:5に乗り換えた“デリカ好き”です。
「もともとは雪山をガンガン走れるクルマが欲しかったんです。SUVでも良かったのですが、サーフボードやスキー板、釣竿など趣味の道具が長尺物ばかりで、それらを載せられるクルマを探していました。
デリカD:5であれば、荷物を積んでも家族や友人と一緒に乗れる実用性があります。オフロードを楽に走れる4WDも搭載されていて、アクティブに遊びたい私にはぴったりの選択でした」
2019年のビッグマイナーチェンジで、外観がより大胆な“顔”に変更されたのですが、デリカD:5の弱点だった車内の質感も大幅にアップ。さらに運転支援システム「e-Assist」も搭載され、クルーズコントロールなど長距離での負担も軽減されたことで、さらに魅力的になったそうです。
「最初はミニバンに抵抗があったものの、いざ乗ってみるとデリカD:5は取り回しも良くて、狭い道でも問題なく走れます。
サーフィンなどで走る海岸線は未舗装の砂利道が多いので、4WDで非常に助かります」
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ミニバンというと、ファミリー向けのイメージが強いですが、デリカD:5は、ミニバンというより「ミニバンの形をしたSUV」という感覚で乗れるところが魅力となっているようです。