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なぜ「“背の低い”ミニバン」不人気になった? 「ウィッシュ」「ストリーム」はめちゃ売れたのに… 今では「超苦戦中」! スタイリッシュな「低高ミニバン」消えた理由は

くるまのニュース 2024年11月14日 11時30分

現在、ミニバンといえば全高の高いモデルがほとんどで、背の低いスタイリッシュなものはなくなってしまいました。なぜ廃れていったのでしょう。

■人気の中心は「背の高いミニバン」 「背の低いモデル」はダメなの?

 クロスオーバーSUVブームが続く現在ですが、そうしたなかでも使い勝手の高さから安定した人気を誇っているのが3列シートミニバンです。
 
 クロスオーバーSUVにも3列シートを備えたモデルは存在していますが、大柄なボディにプレミアムな内外装を持ったモデルが中心で、ファミリーカーとして使うには、手ごろな価格で購入することができるミニバンのほうが人気というのも頷けるところでしょう。

 そんなミニバンですが、新車市場では日産「セレナ」やホンダ「ステップワゴン」、トヨタ「ノア/ヴォクシー」といった背の高いハイト系が人気の中心となっています。

 いっぽうで過去には全高が低めの3列シートミニバンが人気を集めていた時期もありました。

 その代表的なモデルが2000年に登場したホンダ「ストリーム」でしょう。

 5ナンバーサイズのステーションワゴン風のボディに7人が座れる3列シートを備えながらも、洗練されたスポーティなスタイルで一躍人気車種になったのです。

 その人気は凄まじく、デビュー翌年の販売台数ランキングではトヨタ「カローラ」「ヴィッツ」に続く3位に君臨し、ホンダの登録車としては当時最短となる、発売から10か月で累計販売台数10万台を達成するほど。

 そしてトヨタもこのストリームの対抗馬として、全く同じ3サイズを持つ「ウィッシュ」というモデルを取り急ぎ投入し、熾烈な販売競争を繰り広げたのでした。

 このように、一世を風靡した背の低いタイプのミニバンでしたが、2010年代に入ると人気に陰りが見え始め、2020年にはほぼすべての車種が絶版車となって消えていってしまっています。

 それは、人気の理由のひとつであった“背が低いこと”がネガティブに作用したことも影響していると考えられるでしょう。

 背が低いことでセダンライクな運転を楽しむことができるというメリットがありますが、ミニバンを求めるファミリー層にとっては室内空間の広さも大切な要素です。

 例えば、車内で子どもが着替えたりすることを考えれば、背の高いボディの方が使い勝手が良くなることは明白です。

 また比較的ライト層が多いミニバンユーザーにとっては、見た目で“広そう”と感じるスタイルも重要です。

 いくら低床ボディで室内高を稼いでいたとしても、こうした背の低いモデルはパッと見で全高が低いと「狭そう」と感じられてしまい、敬遠されてしまうというケースもあります。

 これは現在もラインナップされている日産「エルグランド」や、新たに輸入車として復活を遂げたホンダ「オデッセイ」が苦戦していることからも分かります。

 実際には広い室内空間を実現していたとしても、第一印象で狭そうと感じられてしまうと、購入検討のテーブルにすらつくことができないのです。

 そして最も大きな要因といえるのが、スライドドアを持たないという点でしょう。

 背の低いミニバンはほとんどが「ヒンジドア」を採用しており、コスト面では有利であるものの、使い勝手の面ではスライドドアの方が圧倒的に優位で、一度スライドドアの便利さを味わったユーザーは、なかなかヒンジドアに戻ることはありません。

 そう考えるとファミリーカーとして背の高いミニバンが選ばれるようになるのは必然ともいえ、背の低いミニバンが淘汰されてしまったのも、残念ながらまた必然だったといえるかもしれません。

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