かつてダイハツはユニークな軽商用バンを公開していました。一体どのようなモデルだったのでしょうか。
■ダイハツの「めちゃ広い」軽商用バン!
ダイハツは2017年に開催された「東京モーターショー」で、ユニークな軽商用バンを初公開しました。
一体どのようなクルマだったのでしょうか
それが「DNプロカーゴ」です。
当時ダイハツの出展テーマは「Light you up ~らしく、ともに、軽やかに~」となっており、DNプロカーゴも、輝いたライフスタイルと軽やかな気持ちを表した車両の一台でした。
同車は、かつてのダイハツの大ヒット三輪自動車「ミゼット」の後継として開発された、軽自動車規格の商用EVモデルで、その特徴は「女性やシニアでも乗り降りしやすい」ことを目的とした設計にあります。
全高1995mmの背高ボディは、EVならではの低床フラットのフロアを採用したことで、室内高1600mmを確保。ウォークスルーも可能なほど高く、快適で広々とした室内スペースを実現しました。
また、シンプルなスクエアボディのエクステリアも大きな特徴です。
これは室内空間をできるだけ広く取るためのデザインとなっており、開き口の大きなサイドドアや、同様に大きく開くリアドアも備えています。
内装には、パステルカラーで統一されたステアリングホイールやフロントパネルが目を引く、使い勝手を重視したシンプルなデザインを採用。
リアの荷室スペースは、「マルチユニットシステム」と呼ばれる、用途にとって内装を切り替えることが可能な構造を取り入れています。
例えば「配送用」であれば、荷物を搭載・固定できる専用にユニットを装備。
「介護・福祉用」に使用する場合は、車イスの乗降がしやすいよう、リフターを搭載することができます。
また医療用モニターや医療機器を備えたユニットなども用意されており、ダイハツが真剣にDNプロカーゴを社会に役立つ商用車として開発していたことが感じられます。
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このようにDNプロカーゴは、スケルトン素材を用いたサイドドアこそコンセプトカー然としていましたが、非常に良くできた商用車として完成されていました。
そのため市販を望む声も上がりましたが、残念ながら現在までに市販化される様子はありません。
しかし、現代は2017年の当時以上にクルマの小型化とユーティリティー性の高さが重要視されており、DNプロカーゴは今こそ求められているクルマだといえるでしょう。