トヨタの米国法人は「RAV-X コンセプト」を「SEMAショー2024」で実車を初公開しました。
■「次期RAV4」を模索する意欲的なモデル
トヨタの米国法人は2024年11月5日から4日間、ラスベガスで開催のカスタムカーショー「SEMAショー 2024」で「RAV-X コンセプト(以下、RAV-X)」の実車を初公開しました。
次世代RAV4の可能性を探るコンセプトカーだといいます。
RAV4は1994年に登場したミディアムサイズSUVです。若々しく都会的なスタイリングや取り回しやすいボディサイズなどが支持されてきました。
日本では2016年、3代目をもって販売終了しましたが、2019年から現行型の5代目モデルが国内復活を果たし、現在ではSUV人気をけん引する定番モデルとなっています。
北米においてはコンパクトSUVとして支持され、日本同様にガソリンモデル、ハイブリッドモデル、プラグインハイブリッドモデルの3タイプがラインナップされています。
そして今回、SEMAショーで披露されたRAV-Xは、アクセサリーやパフォーマンスパーツを手掛ける「トヨタ・サービス・パーツ・アンド・アクセサリー・ディベロップメント(SPAD)」の発案により誕生。ベースは2024年モデルのRAV4 PHEVを採用しています。
エクステリアでは、オフロードレース車両にインスピレーションを得たスポーティなもので、過酷なダカール・ラリーでの堅牢性をイメージ。
RAV4らしいスタイリングはそのままに、ボディサイドやボンネット、ルーフにはTOYOTAロゴをあしらったオレンジや赤のデカールを貼付。さらに、大型のフェンダーアートモールを装着し、迫力を生み出しています。
フロントではラリーカーのように大型のエアグリルを設けたバンパーを装着し、ヘッドライトも精悍なイメージのものへと変更。下部は「RAVX」のロゴを施したスキッドプレートを取り付け、駆動部の保護にも役立っています。
リアはTOYOTAの大判デカールを貼付した大型スポイラーを装着。テールランプは両サイドを残し、中央部はガーニッシュ一体となったスポイラーを装着し、非常にアグレッシブな印象となっています。
マフラーエンドは大径の左右2本出しとなり、レッドのマッドフラップを組み合わせ、ラリーマシンらしいレーシーなスタイリングを実現しました。
走行性能面も大幅に強化されており、悪路走行にも耐えうるロングストロークの専用サスペンションを採用しました。2.5インチ径の可変式強化ショックアブソーバーと組み合わせ、車高を2インチ(51mm)上昇。
さらに、鍛造のアルミ製ロアコントロールアームやアッパーサポートを開発し、足回りのパフォーマンスを向上しました。
足元は17インチ×8.5Jの鍛造アルミホイールを装着。ホワイトのディスクにレッドのTOYOTAロゴアクセントを採用し、往年のラリーカーに採用されていたOZ「ラリーレーシング」をほうふつとさせます。
タイヤは265/65R17タイヤを装着し、トレッドの拡大も合わせて行っています。
これらにより、アプローチアングルとデパーチャーアングルといった悪路でのクリアランスを高めるとともに、これまでのRAV4を超越する、クロスオーバーSUVの限界を超えたモデルを実現しました。
SPADのシニアエンジニアリングマネージャー、ジェイキン・ウィルソン氏は次のように話しています。
「RAV-Xは、単なるコンセプトではなく、イノベーションとパフォーマンスの融合によって何が可能になるかを表現しています。
RAV-Xは、このような小型クロスオーバーがいかにクールで冒険的であるかという、まったく新しい可能性を示すものです」
現在のところ、次期RAV4についてのアナウンスはありませんが、このRAV-Xから着想を得るのであれば、非常にタフでスポーティなモデルへと進化する可能性もありそうです。