2024年11月5日より開幕したSEMAショーにて「エネオス」は、とあるセリカを出展しました。どのような特徴があるのでしょうか。
■草ヒロ状態のダルマセリカをレストアして出展
ガソリンスタンドやエンジンオイルで有名なエネルギー企業「エネオス」は、2024年11月5日より開幕したSEMAショーにてとあるセリカを出展しました。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。
SEMAショーの正式名称は、「SEMA(Specialty Equipment Market Association、米国自動車用品工業会)」です。
1967年より毎年開催しているアフターマーケットの見本市となり、クルマのカスタムやチューニングを施したモデル展示を中心に、様々なカスタマイズパーツやリペアパーツ、工具などに関連する会社・ブランドが出展します。
近年は日本企業の出展も増加傾向にあり、トヨタや日産、ホンダといった自動車メーカーだけでなく、 カスタムパーツメーカーもアメリカのアフターマーケット業界にて頭角を表しつつあります。
その中でも、日本ではガソリンスタンドやエンジンオイルでよく知られている「エネオス」は2024年でSEMAショー初出展から10周年を迎えました。
今回、エネオスはメインとなるブースに2台のカスタムカーを出展していますが、そのうちの1台であるダルマセリカに注目が集まっています。
エネオスがお披露目したダルマセリカは、アメリカにおいて絶大な人気を誇るプロドリフト競技「フォーミュラ・ドリフト」の元選手で、現在は自身のチーム「パパダキス・レーシング」を運営するステファン・パパダキスとのコラボレーションで誕生しました。
ベース車両となるのは1972年型トヨタ セリカの2ドアクーペですが、この個体自体は20年以上も放置されていた車両となります。
今回のプロジェクトはレストアとカスタムを同時に行なう「レストモッド」として、パパダキス氏主導で進められました。
ボディはもちろん完全にオーバーホールし、トイ・ガレージが制作したTRD風ワイドフェンダーをリップスポイラーやダックテールと組み合わせてダルマセリカの持つスポーティな印象をさらに増強させました。
ホイールにはトムスの通称「井桁」ホイールから着想を得た15インチの3ピースホイールを装着、前8J・後9Jでタイヤは前205/50R15・後225/50R15のヨコハマ ADVAN A052を履かせた形です。
手を加えたのは見た目だけではありません。
エンジンはアメリカ向けに設定されることのなかった、ヤマハ開発の18R-G型2リッター直列4気筒ツインカムエンジンに換装されています。
さらに、この18R-Gを2.2リッターまでボアアップしただけでなく、ダイレクトイグニッション化も行なっています。
キャブレターにはミクニ製44PHHを採用し、リンクのECUで制御、最高回転数8000 rpmで170 hpを出力する仕様。
海外向けセリカに搭載されたW50型5速マニュアルトランスミッションと組み合わせ、唯一無二のダルマセリカが完成しました。
このパフォーマンスに見合うブレーキ性能を実現すべく、キャリパーは前後ともにウィルウッドの4-potのものへと交換。
ローターは前298 mm・後279 mmのスリット入りローターとなります。
これ以外にも、JRZモータースポーツのダンパーにテクノ・トイ・チューニング製AE86用ナックルとコントロールアームといった足回りのチューニングも施されています。
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パパダキス氏も実際のブースに現れ、サイン会などの催しやオーナー自らの解説など、ファンとの交流を楽しみました。
SEMAショー2日目にはサインペンのインクがセリカの車体に飛び散るというアクシデントが発生したものの、SEMAショーに展示される各車両のスポンサーも務める洗車・研磨用品メーカー「マグアイアーズ」協力のもと、綺麗に元に戻ったようです。
エネオスはセリカ以外に、メインとなるブースでは漫画・アニメ「湾岸ミッドナイト」から着想を得た「悪魔のZ」仕様の1971年型ダットサン 240Zを展示。
さらには、屋外ブースでは3.3リッターまでボアアップした1995年型トヨタ スープラ、フォルクスワーゲンの2.8リッター VR6エンジンを換装した1960年型ルノー ドーフィンなど、多彩なカスタムカーを展示されました。