誰もが1度は憧れるトヨタ「センチュリー」ですが、こうした格安中古センチュリーはしっかりと乗れるものなのでしょうか。中古車販売店にたずねてみました。
■新車価格では手が届かない! トヨタ最高級車「センチュリー」 中古車なら?
トヨタ「センチュリー」は現行であれば新車価格が2000万円を超える日本における最高級車です。
一方で、先代などであれば中古車市場において、100万円程度で販売されています。
誰もが1度は憧れるセンチュリーですが、こうした格安中古センチュリーはしっかりと乗れるものなのでしょうか。中古車販売店にたずねてみました。
初代センチュリーが誕生したのは1967年。
センチュリーの車名は、トヨタの創始者である豊田佐吉氏の生誕100年の記念として「世紀」の意味を持つこの名前が付けられました。
初代センチュリーの発売当時の新車価格は208万〜273万8000円ですが、現在の貨幣価値に換算すると1000万円ほどとなります。
初代センチュリーは、世界のショーファーカーに比肩する新しい日本の高級車を目指して開発されたクルマです。
高い静粛性や乗り心地はもちろん、日本の伝統美や品格を表すデザインが各部にあしらわれ、使い勝手に関わる部分の随所には日本のおもてなしの心が反映されています。
現在まで2度モデルチェンジしており、現行型は2018年に登場した3代目です。
2023年には新しいモデルとしてSUV型のセンチュリーが新車価格は2500万円で発売され話題を呼びました。
センチュリーの新車価格が高い理由は、ショーファーカーとして優れた性能が与えられているだけでなく、一般車両とは異なる製造工程にもあります。
プレス後のボディの僅かな歪み修正や塗装工程、各部の組み立て工程など細部にわたって、トヨタの熟練職人が手作業で丁寧に仕上げている点もセンチュリーの大きな特徴です。
センチュリーは、国産車のなかでもっとも一般人に縁遠いクルマと言えるでしょう。
しかし現実的な価格で販売されている中古のセンチュリーなら、ずっと身近な存在に変わります。
■中古車価格100万円以下のセンチュリーはどんな状態?
中古車価格100万円以下で購入できるセンチュリーは1997年〜2017年まで製造された2代目です。
初代センチュリーは、その希少性からか総じて高値が付けられる傾向にあります。
2代目は5.0L V型12気筒エンジンが搭載される唯一のセンチュリーであり、発売当時の新車価格は925万〜987万円でした。
現在、中古で販売されている個体の年式は2012年前後のモデルが中心です。
ただし、走行距離は20万kmオーバー。なかには30万kmに近い車両もあります。
こうした過走行のセンチュリーは、果たして問題なく乗れるのでしょうか。
現在センチュリーを販売している中古車販売店にたずねてみました。
「センチュリーに使われる部品は素材がよいため、各部の耐久性が高いのは間違いありません。
シート生地ひとつとっても一般的な乗用車では、これだけの年式や走行距離まで耐えられません。
各部の細かなヤレは目立つものの、目に見える範囲では年式や走行距離を考えれば良好な状態といえます。
クルマがクルマだけに、センチュリーは丁寧に乗られている印象です。
ただし、機械部分に関しては相応の年式と走行距離であるため、正直なところ悪くないとしか答えられません。
不具合が出て修理をしようにも、現在はほとんど中古部品での対応となります。
センチュリーに関して問い合わせは多くありますが、オンラインでの問い合わせだけでは購入に踏み切れないお客が多いようです。遠方であっても購入前に現車確認をおすすめします」
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おもに運転手付きのショーファーカーとして用いられるセンチュリーは、社用車や公用車として使われたクルマが中古車市場にも出回ります。
また好んで個人所有する人も少なからずいるため、手放した車両が中古車として並ぶことはそれほど珍しくありません。
なかでも、2代目はV型12気筒エンジンが搭載された唯一のセンチュリーです。
そうしたこともあり、今や貴重となった国産V12エンジンを味わうのもクルマ好きにとっては悪くないお金の使い方ではないでしょうか。