タイヤ交換時に外したタイヤはどのように保管するのが良いのでしょうか。また「縦置き」と「横置き」はどちらが好ましいのでしょうか。
■横置き(平積み)か縦置きか、どっちがいいの?
季節の変わり目にタイヤ交換は付き物です。まもなく到来する冬に備え、ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤに履き替える人もいるでしょう。
そして、タイヤ交換時に悩ましいのは、外したタイヤをどうやって保管したら良いのかということです。
タイヤの正しい保管方法や、保管時にやってはいけないこととは、どのようなことなのでしょうか。
タイヤはゴム製品であるため、熱や直射日光、雨に弱く、これらを避けた環境下で保管します。そして、保管の際はできるだけ温度変化の少ない場所が望ましいとされています。
屋内と屋外、どちらに保管するにしてもタイヤカバーをつけるのがおすすめです。特に屋外で保管するときは、日光や雨を避けるためにもカバーでタイヤを守りましょう。
屋内で保管するときは風通しの良い場所を選び、タイヤラックがあれば立てかけておき、なければ下にスノコなどを敷いておくと通気性も良く、床にタイヤの色が移ることも防げます。
また、ホイールの有無により、タイヤを横置き(平積み)にすべきか縦置きにすべきかが変わります。
タイヤにホイールが組み込まれている場合は、縦向きに置くとタイヤの下側にホイールの重力がかかって変形する可能性があるので、横に寝かせるように置きましょう。
タイヤの重さがホイールを通じて分散され、タイヤの変形を防ぐことができるため、上に積み上げても問題ないとされています。
しかし、ホイールが組み込まれておらず、タイヤ単体の場合は逆に、横置きで上に積み上げていくと下の方のタイヤが変形する可能性があるので、縦置きに保管するのがベストです。
さらに、冬用タイヤともいわれるスタッドレスタイヤの場合は、ノーマルタイヤよりゴムが柔らかいので、この柔らかさを失わないように注意することも必要です。
ゴムやタイヤの骨格を支える内側のコード類への負担を減らすため、指定されている空気圧より下げておくと良いでしょう。
タイヤの空気圧は、使用している間はクルマの重さに耐えうるように設計されてはいますが、内圧がかかっているので、ゴムに負担がかかりひび割れや劣化が起こる可能性があります。
ゴムへの負担を軽減させるため、適正な空気圧から少し下げて保管するのがオススメなのです。
なお、空気圧を下げたタイヤをクルマに装着した後は、適正な空気圧に戻す必要があります。
自分でやるのであれば空気圧や空気入れ(エアコンプレッサー)などを用意しなければならず、DIYでの作業が難しいのであれば、ガソリンスタンドやディーラー、整備工場などに作業を依頼しましょう。
スタッドレスタイヤの場合は少し注意が必要で、溝の深さが新品時から半分以上減ると効力がなくなり、冬用タイヤとして使えなくなってしまいます。
スタッドレスタイヤに付いているプラットホーム(新品タイヤが50%摩耗したことを示す段差)が露出していないか確認してから使用する必要があります。
加えて、スタッドレスタイヤは泥汚れのみならず融雪剤も付着しているので、水洗いでタイヤをきれいにして、水気が残らないようにしっかりふき取って保管します。
タイヤを洗う際は、洗剤など使わず水洗いでほこりや汚れが落とせれば大丈夫です。
洗剤を使った方がきれいになりそうな気がしますが、溝や裏側などに洗剤が残っているとゴムを劣化させる原因になり、ひどくなると亀裂を生じさせ空気漏れが起こることもあります。
そしてタイヤを洗い終わった後、保管する前にタイヤワックスを塗布する必要はありません。
タイヤワックスはタイヤの劣化や汚れを防いだり、美しくツヤのある見た目にしたりするためなどに使われます。
しかし保管する直前にタイヤワックスを使用すると、タイヤワックスに含まれている化学物質により、ひび割れや劣化を招くこともあるので、保管前には何かを塗ったりするのは避けましょう。
自宅にタイヤを保管する場所が確保できない場合、業者に預けるという手もあります。
家で保管すると、場所も取り必ず持って運ばなければならず、女性や高齢者には難しかったり、タイヤが盗難されるといった可能性も考えられます。
業者に預けるとベストな保管状態で保管してもらえて、交換の際は手ぶらでクルマに乗って向かうだけなので手間が省けます。
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庭やベランダなどに、むき出しの状態でタイヤが置かれている光景を見かけることもありますが、タイヤカバーもなく横置き・縦置きも気にせずに放置するのはタイヤの寿命を縮める原因になります。
使っていないタイヤの保管方法には十分気を付けましょう。