2024年11月に開催された「SEMAショー2024」で、米国トヨタは新型「GR86 ラリー レガシー コンセプト」を発表しました。かつての有名なラリーを制したセリカの復活版と言えるようなモデルですが、どんなマシンなのでしょうか。
■モンテカルロラリーを制したあの名車が復活!?
2024年11月5日から8日、米国ラスベガスで開催された世界最大規模の自動車パーツの見本市「SEMAショー2024」で、米国トヨタは「GR86 ラリー レガシー コンセプト」を発表しました。
「GR86」は、2021年10月に発売された2ドアクーペのスポーツカーで、2012年にデビューした「86」の2代目にあたります。86/GR86はトヨタとスバルの共同開発車で、スバルの水平対向エンジンが搭載される後輪駆動モデルです。
車名の数字は、1980年代のトヨタのライトウェイトスポーツの姉妹車「カローラレビン」「スプリンタートレノ」の1.6リッター車の型番「AE86」から。このクルマは、後輪駆動でドリフト走行に適しており、“ドリフトキング”ことレーサーの土屋圭市氏が腕を磨き今も保有を続ける1台であることや、人気コミック「頭文字D(イニシャルディー)」の主人公が乗るクルマとして今も高い人気を得ています。
SEMAショー2024で出展されたGR86 ラリーレガシーコンセプトは、その車名が示すとおり、トヨタのレガシーとなった1990年代の「セリカ GT-Four」ラリーカーに敬意を表して制作されました。
この背景には、WRC(世界ラリー選手権)が米国に再び戻ってくることで盛り上がりを見せ、これを祝うムーブメントがあったと米国トヨタが伝えています。
GR86 ラリーレガシーコンセプトのフロントエンド、ヘッドライトの間には、1993年開催のWRCの開幕戦、モンテカルロラリーで、D.オリオールの神がかったドライブテクニックで劇的な逆転勝利をもたらしたマシン、トヨタ セリカ GT-FOUR(ST185型)と同じ、横一文字に並んだ特徴的な丸目4灯のライトが備わっています。
前述のST185型セリカがフルモデルチェンジし、ST205型となったラリーカーも華々しい成績を収めています。
このST185およびST205にインスピレーションを得て、エクステリアには、当時のマシンを想起させるホワイトのボディに、赤と緑を配したカラーリングが施され、セリカ GT-FOURに似たリアスポイラーが装着されています。
GR86 ラリーレガシーコンセプトのパワートレインには、スバル製の水平対向エンジンではなく「GRカローラ」に搭載される最高出力300 hp・最大トルク370 Nmの直列3気筒ターボエンジンと、GR-FOUR AWD ドライブトレインが採用されており、外装と相まってまさに“現代版セリカ”といった仕上がりになっています。