トヨタのEVシリーズ「bZ」の新モデルが中国で登場します。「北京モーターショー2024」で公開された新型SUV「bZ3X」ですが、どのようなモデルなのでしょうか。
■ハンマーヘッドのシャープなフロントフェイスが特徴的!
トヨタは、2021年12月14日に「バッテリーEV戦略に関する説明会」を開催し、そこで16台のEV(電気自動車)を一挙に世界初公開しました。
なかでも、2022年5月に発売された「bZ4X」など、トヨタのEVシリーズ「bZ」のモデルが複数発表されています。
そして、bZシリーズの新たなモデルとして、「bZ3X」が2024年4月に開催された「北京モーターショー2024」で初公開。同年8月にも「成都モーターショー2024」でもお披露目されたのですが、どのようなモデルなのでしょうか。
トヨタのbZシリーズとしては、前出のbZ4Xのほか、中国市場向けのセダン「bZ3」の2モデルが展開されています。
新たに登場した新型bZ3Xは、bZ3同様に中国市場に向けて現地法人などと共同で開発されたモデル。心地が良い動く家を意味する「COZY HOME」をコンセプトとしたSUVで、ファミリー向けに開発されたのが特徴です。
車名に「3」が含まれているのは、比較的コンパクトなサイズであることを示しており、ボディサイズは全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mm、ホイールベースは2850mm。
トヨタの人気SUV「ハリアー」(全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm、ホイールベース2690mm)と近しいサイズでありながら、スクエアなスタイリングによって広い室内空間と十分な荷室容量を確保。大人数で快適に移動できるモデルとなっています。
新型bZ3Xの外観は、「プリウス」や「クラウン」などに用いられる「ハンマーヘッド」と呼ばれるフロントデザインを採用。リアには横一直線のテールライトが備わり、ボディ全体で先進的な雰囲気を演出しています。
インテリアには中国市場での最新トレンドが取り入れられていて、7インチの横長ディスプレイと、中央には12.3インチのタッチディスプレイを搭載。
パワートレインには、シングルモーターの前輪駆動モデルとツインモーターの四輪駆動モデルが設定されます。
航続距離(CLTC方式)は前輪駆動モデルが615km、四輪駆動モデルが560kmと、十分に長距離の移動が可能です。
また、ADAS(先進運転支援システム)には、中国の自動運転技術ベンチャー「Momenta」と共同開発した最新の市街地ADAS「TOYOTA PILOT」をトヨタ車初搭載しました。
このシステムでは「NOA(Navigation on Autopilot、またはNavigation on ADAS)」と呼ばれる技術が核となり、ドライバーがナビゲーションで目的地を設定すると、クルマの操作を自動で行う機能を搭載。
中国では、特に高速道路でのNOA技術が急速に普及しており、TOYOTA PILOTではLiDAR(光検出と距離測定技術)を併用しつつ、主にカメラによる映像を用いて高精度なマップをリアルタイムで生成。
これにより、高速道路だけでなく市街地でも、人間が運転しているかのようにスムーズな走行が可能となります。
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中国で新型bZ3Xは、20万元(約425万円)以下で発売される予定とのこと。2025年第1四半期に生産開始されることになっています。