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トヨタ「コンパクトSUV」なぜ消滅? “全長3.9m”級の元祖「ヤリスクロス」的存在な「ヴィッツSUV」に注目! 14年で幕を閉じた「ist」とは?

くるまのニュース 2024年11月22日 17時10分

トヨタ「ヤリス」には「ヤリスクロス」といったSUVタイプの派生モデルが登場していますが、前身モデルである「ヴィッツ」にも、同車をベースとしたSUV風のモデルが存在していました。一体どのようなクルマなのでしょうか。

■ヤリスクロスの先祖モデル!? ヴィッツベースのSUV風モデルとは?

 トヨタのコンパクトカー「ヴィッツ」は、1999年から2020年まで長い期間販売されていた看板モデルの1つです。
 
 現在の日本市場では「ヤリス」に名称を変え、「ヤリスクロス」といったSUVタイプの派生モデルが登場していますが、同様にヴィッツをベースとしたSUV風のモデルがかつて存在していました。
 
 一体どのようなクルマなのでしょうか。

 そのクルマとは、2002年から2016年にわたり販売されていた「ist(イスト)」です。

 同車はトヨタが「for your 1st」というテーマのもと、2002年に発売した5ドアハッチバックのコンパクトカーです。

 初代ヴィッツをベースに、5ドアハッチバックのクロスオーバーSUV風ボディを採用しているのが特徴です。

 ボディサイズは全長3855mm×全幅1695mm×全高1530mm-1535mmと、初代ヴィッツ(全長3610-3660mm×全幅16660mm×全高1500mm-1510mm)と比べてひと回り大きくなっています。

 これにより、初代ヴィッツよりも広い室内空間を確保し、快適性を高めることに成功。

 また、フロントマスクにはヴィッツの面影を若干残しているものの、全体的なデザインはシャープなものになっており、張り出したフェンダーもスタイリッシュさを引き上げているポイントです。

 エンジンは最高出力87ps・最大トルク121Nmの1.3リッターエンジン(2NZ-FE型)と、最高出力109ps・最大トルク141Nmの1.5リッターエンジン(1NZ-FE型)の2つがあり、これにトランスミッションは4速ATが組み合わされました。

 そんなistはファミリー層を中心にヒット。

 くわえてマイナーチェンジにより、スポーティな味付けのモデルを追加したことで、若い世代からの支持を得ることにも成功し、最終的に約37万台の販売台数を記録しました。

 その後、2007年には2代目ヴィッツをベースとする2代目istが登場します。

 ボディサイズが全長3930mm×全幅1725mm×全高1525mm-1540mmと、初代istよりも大きくなっており、特に幅が1700mmを超えたことで、5ナンバーから3ナンバーへと切り替わりました。

 初代と同じく、2BOXとSUVの融合がコンセプトのエクステリアは、全体的に丸みを帯びた、近未来感のあるデザインに進化。

 特に大きな2段の開口部を設けたフロントグリルは、2代目istの特徴でした。

 エンジンは1.3リッターエンジンが廃止され、1.5リッターエンジンと最高出力132ps・最大トルク172Nmの1.8リッターエンジン(2ZR-FE型)の2種類に変更。

 特に後者は、初代と比べて車重が増したボディを快適に走らせました。

 ヒットした初代の跡を受けてデビューした2代目istですが、3ナンバーへと大型化したことが災いしたのか、売れ行きは伸びず。

 また当時、2008年にはホンダがコンパクトミニバン「フリード」を発売するなど、5ドアコンパクトカーに魅力的なライバルが増えたことも、販売に影響しました。

 最終的に2016年まで販売は継続されるものの売れ行きは好転せず、同年4月で生産終了となってしまいました。

 最上のコンパクトカーを目指して生み出されたistは、初代がヒットするも、2代目が苦戦したことで市場から消滅してしまったモデルです。

 デザインやインテリアの評価は悪くなかっただけに、やはり3ナンバー化がマイナスだったのかもしれません。

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