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「有名芸人も犠牲に…」 高速道路の「くねくね区間」なぜ事故多発? 注意標識多い「魔のカーブ」 中国道に存在

くるまのニュース 2024年11月14日 9時10分

中国自動車道は1983年に全線開通した歴史ある高速道です。「魔のカーブ」と呼ばれる危険箇所が存在しており、アップダウンも激しい道路で走りにくい高速道といわれています。過去にはお笑いタレントの桜塚やっくんが事故に遭い亡くなっていますが、一体なぜ事故が後を絶たないのでしょうか。

■対象の区間には「この先急カーブ」「下り坂注意」の標識がたくさん!

 山口県内を走る中国自動車道には、「魔のカーブ」と呼ばれる危険箇所が存在します。
 
 過去にはその付近で、お笑いタレントの桜塚やっくんが事故に遭い亡くなっていますが、一体なぜ事故が後を絶たないのでしょうか。

 高速道路の走行は一般道路と比べて運転時間の短縮や輸送コストの軽減につながるため、日々多くのドライバーが利用しています。

 また歩行者や自転車の通行がない分、交通事故件数は一般道路よりも少ない状況です。

 しかし、2023年中の死亡事故率は高速道路が2%、一般道路が0.8%と、高速道路の方が約2.5倍高くなっています。

 これは、高速道路においてはスピードが出やすく、運転ミスやちょっとした行動によって重大な事故に発展しやすいためといえるでしょう。

 特に高速道路の事故に関して多くの人に衝撃を与えたのが、お笑いタレントである「桜塚やっくん」とマネージャーの男性が亡くなり、ほか2人が軽傷を負った交通事故です。

 この事故は2013年10月5日の夕方、山口県美祢(みね)市の中国自動車道で発生しました。

 初めに桜塚さんの運転するワゴン車が中央分離帯のガードレールに衝突して停止し、マネージャーの男性が車外に出て警察に通報していたところ、後続車にはねられてしまいます。

 その後、路上に出て後続車を停止させようとした桜塚さんも別の乗用車にはねられ、心臓破裂のため亡くなりました。

 事故現場は美祢ICから美祢西IC間の下り線のうち、伊佐PAを2キロほど過ぎた場所であり、地元では交通事故が多発する「魔のカーブ」として知られ、現在も事故が多い場所です。

 この区間では2023年までの10年間に66件の人身事故が発生して118人がケガ、5人が死亡しており、警察やNEXCO西日本などが公表している「中国地方高速道路の交通事故危険箇所マップ」においても交通事故多発区間として注意喚起されています。

 では、この区間で事故が多発する原因とは一体何なのでしょうか。

 まず、桜塚さんが事故に遭った下り線(下関方面)の伊佐PA付近を見てみると、急カーブが連続しているほか、長い上り坂・下り坂がみられます。そのため道路脇には「この先急カーブ R=300m」や「下り坂 速度注意」などと書かれた標識がいくつも設置されています。

 標識に表記されたRとはカーブの半径の長さを示しており、この半径が小さくなればなるほど、カーブもきつくなります。

 さらに、逆方向の美祢西ICから美祢ICまでの上り線においても同様に、急なカーブや長い下り坂が続いています。

 上記のような急なカーブや下り坂でスピードが出ていると、曲がりきれずにガードレールに衝突したり、止まれずに前方の車両に追突したりすることがあります。

 加えて、雨で路面が濡れている場合はスリップによって事故を起こすケースも多く、道路の形状や傾斜、路面の状態など複数の要因によって事故が多発しているものとみられます。

 急カーブや急な下り坂が続く場所ではスピードの出し過ぎに注意した上で、前方をよく見て運転することや、カーブに沿って適切なハンドル操作をすることが重要といえるでしょう。

 そして各ドライバーが運転に注意することはもちろん、万が一事故が起きたときの対応を理解しておくことも必要です。

 桜塚さんの事故のように、クルマから降りたところを後続車にはねられてしまう事例は決して少なくありません。

 事故や故障などでクルマを停車した際はハザードランプを点灯する、発煙筒を発火する、クルマの後方に停止表示器材を置くなどして後続車に知らせましょう。

 その後は通行車両に注意しながらガードレールの外側などに避難し、安全な場所から通報することが大切です。

 また、いざというときに発煙筒を利用できるよう、事前に使用手順を確認しておくと良いでしょう。

※ ※ ※

 急なカーブや下り坂が連続する場所では、交通事故が発生しやすい傾向にあります。

 運転中はスピードを出し過ぎないことや脇見運転などに注意し、運転前には発煙筒や停止表示器材など必要な装備がクルマに積載されているか点検しておきましょう。

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