トヨタ「ヤリスクロス」は日本で人気のコンパクトSUVですが、アジアでは同じ車名で異なるモデルが展開されています。一体何が違うのでしょうか。
■日本とアジアの「ヤリスクロス」が全然違う!
トヨタの「ヤリスクロス」は、小型ハッチバック「ヤリス」から派生したコンパクトSUVとして人気のモデルです。
日本では2020年4月に登場。コンパクトなボディながらSUVらしく力強いデザインが特徴的で、サイズを超えた存在感が表現されています。
パワーユニットは、1.5リッターガソリンモデルおよび同エンジン+ハイブリッドモデルを設定し、FFと4WD(E-Four)をラインナップ。
通常モデルのほか、スポーティな内外装を備えた「GRスポーツ」も用意されるなど、幅広いユーザーにマッチするグレード展開も魅力のひとつです。
ヤリスクロスは日本のみならず、欧州やアジアといった海外でも販売されています。ただし、タイやインドネシア、ベトナムなど東南アジアでは、日本や欧州の仕様とは全く異なるモデルとなっているのです。
一体何が違うのでしょうか。
東南アジア仕様のヤリスクロスは、2023年5月にインドネシアで世界初公開されました。
同じ車名であるものの、日本仕様とはプラットフォームからデザインまでさまざまな部分が異なります。
まずボディサイズですが、東南アジア仕様は全長4310mm×全幅1770mm×全高1615mm、ホイールベースは2620mm。
日本仕様(全長4180-4200 mm×全幅1765 mm×全高1580-1590 mm)と比較すると全長は100mm以上長く、全幅は5mmワイド、全高は30mm前後高いという、ひと回り大きなボディをとなっています。
東南アジア仕様はホイールベースも60mm長いことに加え、最低地上高は100mm以上高く確保されるなど、居住性や走破性を高めていることも特筆すべき点でしょう。
「Solid & Dynamic」をテーマとし、スクエアを強調したボリューム感のあるデザインを採用。フロントのデザインは、上下2段の台形グリルやシャープな形状のヘッドライト、スキッドプレート風のアンダーガーニッシュが備わっており、トヨタのワイルド系SUVの「RAV4」に近い雰囲気が感じられます。
リアのデザインでは、日本仕様の一文字テールランプではなく、シャープでユニークなLEDリアコンビネーションランプを採用するなど、独自の路線を貫きました。
インテリアは直線基調とし、センターコンソールをドライバー側に向けることで、操作しやすい構造としました。
また、ドアトリムやインパネ上部にはダブルステッチをあしらったソフトパット素材を使用したほか、メッキ加飾やピアノブラックを採用してプレミアム感を演出しています。
シートには、スポーティで目を引くブルーのステッチが施されており、運転席にはクラス初となる電動シートアジャスターが採用されました。
パワートレインは、1.5リッターガソリンエンジンに加え、インドネシアで初となるリチウムイオンバッテリーを採用ハイブリッドモデルも設定。
なお、ガソリン車のトランスミッションにはCVTと5速MTが用意されます。
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インドネシアでのヤリスクロスの価格は3億5390万ルピアから4億5495万ルピア、日本円で約346万円から約445万円です。