都心部を抜ける「首都高八重洲線」が、約10年間という異例の長期通行止めになると発表されました。実はここには、都心ならではの「レアな施設」があり、しばらく見納めになるのを惜しむ声も見られます。
■八重洲線にある「謎の空間」って!?
都心部を抜ける「首都高八重洲線」が、約10年間という異例の長期通行止めになると発表されました。
実はここには、都心ならではの「レアな施設」があり、しばらく見納めになるのを惜しむ声も見られます。
首都高八重洲線は1973年に開通。7年前に完成していた東京高速道路(KK線)に直通し、汐留までつながりました。おかげで、大渋滞の江戸橋JCTを経由せずに都心部を抜けられるようになりました。
そんな八重洲線が、都心環状線の新ルート「新京橋連結路(八重洲~京橋)」の整備工事にともない、2025年4月上旬~2035年度という長期通行止めになることが発表されました。
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ところで、「都心環状線のバイパスの一部」という短絡線のような存在の八重洲線ですが、実はもうひとつの役割があります。
それは「JR東京駅へのアクセス」です。しかし、その形はほかにも類を見ない変わった構造で、八重洲線の強烈な個性となっていて、知る人ぞ知る「謎の施設」となっています。
【改】八重洲線にある2つの「謎のレア施設」とは?
1つ目は「八重洲出入口」です。出入口といいますが、実は「一般道に直接つながっていない」というから驚きです。
八重洲出入口は、併設の「東京駅八重洲パーキング」に直結しています。八重洲線の本線トンネルから左奥に入った先には「駐車場のゲート」が待ち受けていて、必ず駐車料金を払わなければいけません。
もちろん駐車料金を払えば、そのまま駐車せずに一般道側のゲートから出ることはできます。しかし構造を知らないと最初は面食らうかもしれません。
2つ目は「八重洲乗客降り口」です。
八重洲パーキングの入口と出口のあいだにあるスペースで、タクシー等を停車させられるようになっています。タクシーから駅利用客を下ろす場合に、パーキングにわざわざ入らなくてもいい構造なのです。
「降り口」という言い方のとおり、ここは東京駅に行くために降りる用途専用になっています。金属扉を開けて階段を上ると、八重洲地下街に直結しています。
逆に「ここで待って、タクシーに拾ってもらう」ということはできません。途中のドアも、地下街側から開けられない構造になっています。
ヘンテコな構造ですが、そもそも東京駅で客を乗せたい場合は地上の駅前ロータリーで乗せればいいだけ(もしくは八重洲パーキングで待ち合わせ)なので、特に不便ではないようです。不思議な「乗客降り口」は、あくまで小さな便宜を与えたという程度の存在と言えるでしょう。
ともあれ、ICでもバス停でも無い、知る人ぞ知る「謎の施設」がある八重洲線。この風景もしばらく見納めになってしまいます。
ネット上でも「今のうちに降車体験しときたい。誰か運転して」「気になるけど一人じゃいけないんだよなこれ」など、しばらく見納めになる前に現地に行きたいという声も見られています。