「東京モーターショー2005」で三菱は、「Concept-D:5」を出展しました。ほぼそのままのスタイルで市販化されたのですが、どのようなコンセプトモデルだったのでしょうか。
■個性的フォルムで話題だった「Concept-D:5」とは?
東京モーターショーに出展されたコンセプトカーのなかには、「〇〇の後継モデル」と目されたものの、残念ながら市販化されなかったクルマが数多くあります。
一方で、予想どおり市場デビューを果たしたクルマも存在。例えば、2005年に三菱が出展したConcept-D:5は、後にデリカD:5として市販化されたモデルでした。
2005年のモーターショーには、トヨタ「Fine-X」やホンダ「FCX CONCEPT」など注目のコンセプトカーが数多く出展。
一方で三菱は、次期ランエボと目される「コンセプト-X」や市販化が決定している「i(アイ)」などを展示。その中でも特に話題になったのがConcept-D:5です。
Concept-D:5は「新4WDモノボックス」をテーマに開発された、ミニバンタイプのコンセプトカーです。
三菱の人気ミニバン「デリカ」(4代目「デリカスペースギア」)の次期モデルとされ、名前にある「D:5」のDは「デリカ」、5は「5代目」という意味なのではともいわれていました。
当時、「アウトランダー」などに用いられていた三菱GSプラットフォームをベースとし、ボディサイズは全長4735mm×全幅1815mm×全高1875mm。
2.4リッター直列4気筒の「4B12型エンジン」を搭載しており、最高出力は170馬力、トランスミッションは6速スポーツモードCVTとなっています。
最大の特徴はシンプルで無駄のないデザインです。全体的に丸みを帯びた見た目は、シルバーの車体色であることも相まって、「近未来のクルマ感」を醸し出していました。
フロントとリアの下部を斜めにカットし、極端に車高が高く見えるようになっているのも、シンプルながらも異質な雰囲気を感じさせるポイントだったのです。
インテリアは直線で構成されたシンプルかつ近未来感のある造りを実現。特に、センターコンソールは宇宙船のコントロールパネルのような、強烈なインパクトのあるデザインでした。
充実した安全装備もConcept-D:5のアピールポイントです。
例えば、走行車線を自動キープする「レーンキーピングアシスト機能」、クルマの周辺の障害物を感知する「車両周辺監視システム」、その他にも、先行車との車間距離を保持しながら自動的に車速をコントロールする「アダプティブクルーズコントロール」など、現代のADAS(先進運転支援システム)に通じる機能をいち早く備えていました。
東京モーターショーへの出展から1年後の2006年10月にデリカの次期モデルとして正式にデリカD:5が発表されます。
その際に公開された市販デザインは、若干近未来感は減ってしまったものの、Concept-D:5とそこまで大きくは変わらず。
一般的に市販化の際はブラッシュアップが行われ、コンセプトカーとはかなりデザインがほとんどですが、デリカD:5はコンセプトモデルの面影をかなり残していました。
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デリカD:5は2007年1月に販売を開始。以降マイナーチェンジを繰り返しながら、2024年現在も継続して販売されています。
デビューからフルモデルチェンジをしないまま17年と、モデルチェンジが激しいクルマ業界では珍しい存在です。
そして、2023年のジャパンモビリティショーに登場したコンセプトカー「D:X Concept」が次期デリカともいわれています。
まだ正式発表はありませんが、次期モデルがどのようなデザインになるのか注目です。