冬用タイヤへ履き替える季節が到来しました。外した夏タイヤは次の季節まで大切に保管しておきたいところですが、劣化しやすいタイヤは保管方法も注意が必要。どのように「置く」のが良いのでしょうか。
■「タイヤ」を保管する方法の「正解」とは
タイヤは保管方法によって劣化の度合が変わってしまいます。置き方ひとつで、次に使う際の状態が変わってしまうことも。
タイヤの寿命をできるだけ伸ばすために必要な、理想的なタイヤの保管方法について考えます。
今年も夏タイヤから冬用タイヤへ履き替えるタイミングがやってきました。早いところだと、11月後半には路面凍結や降雪が始まります。
そこで悩ましいのが、外したタイヤをどの向きで保管するのが良いのかです。
JAF(日本自動車連盟)では、ホイールに組んだ状態のタイヤを保管する方法は、空気圧を指定の半分程度に下げた状態にし、平積み(横向きに重ねる)するのが良いと説明します。
その理由については、タイヤのゴムや骨格を支える内側部分への負担を低減するために有効だからだといいます。
その際、次回の使用前には適正空気圧に戻す必要があり、自身でタイヤ交換をする場合はエアーコンプレッサーなどの空気入れや、空気圧計の用意は必須となります。
難しい場合は、ディーラーや整備工場、ガソリンスタンドなどで交換してもらいましょう。
いっぽうホイールが外された状態、タイヤ単体で保管する場合は、また別の保管方法が推奨されます。
その場合は、縦置きでタイヤラックなどに立てかけておくのが良いといいます。
■ホイール付きなら「横」…でもタイヤ単体の場合は「縦」!?
これらの保管方法は、大手タイヤメーカーでも共通の見解となっていいました。
ブリヂストンでは、空気圧を通常の半分程度に調整したうえで、ホイールを付けたまま省スペースで安定感がある「横積み(平積み)」で保管することを推奨しています。
その理由について、タイヤのゴムやコードの緊張状態を和らげるためだとしています。
トーヨータイヤ、ダンロップ、横浜ゴム、ミシュランなども同様の見解を示しています。
なおタイヤ単体を縦積みで保管する場合は、トレッドの1か所に荷重がかかって変形してしまわないよう、たまに向きを変えることを推奨しています。
またタイヤは、直射日光や雨、水、油類、ストーブ等の熱によって劣化が早まる可能性があり、こうした状況をできる限り避けて保管することも大切だと各社は伝えています。
できれば涼しい屋内で保管するのが理想ですが、やむを得ず屋外に置く場合でもタイヤカバーなどを掛け直射日光を避け、地面に直置きとならないよう、下にスノコ板を置くなどしてかさ上げするのが良いそうです。
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タイヤを保管する前には、まずタイヤをきれいに洗いましょう。重ねた面が変質する可能性があるため、タイヤワックスなどは不要です。
水分がなくなるまで乾燥させ、トレッド面に刺さった石などの異物はできるだけ取り除き、バルブにはバルブキャップを取付けるなども合わせて行いたいところ。万が一穴が開いていたら、すぐにお店に見てもらいましょう。
次に使うときまで良い状態でタイヤを維持するため、これらの内容を怠らないようにしましょう。