スバル「レガシィ アウトバック」の30周年を記念して、500台限定の特別仕様車が登場しました。アウトバックは2025年3月末に受注終了することから、最後の特別仕様車となったわけですが、このモデルに購入希望者が殺到したようです。
■「最後のアウトバック」が争奪戦となったワケ
スバルは、フラッグシップSUV「レガシィ アウトバック(以下、アウトバック)」の受注を2025年3月31日に終了することをアナウンスしました。
初代アウトバックは北米で1994年にデビュー。国内では1995年に「レガシィ グランドワゴン」の車名で発売され、どこまでも走り続けられるような安心感と快適性、荷物を効率的に積める積載性、質感の高い内装を備えたクロスオーバーモデルとして人気を博しました。
現行モデルは2021年に全面刷新を発表した6代目で、高効率な1.8リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンや高度運転支援システム「アイサイトX」など最新の技術を採用。
シンメトリカルAWDによる運動性能や低重心なボディに加え、悪路を楽に乗り越えられるよう最低地上高を213mmに設定するなど、本格的なSUV性能も魅力のひとつです。
そして、今年(2024年)はアウトバックが北米で誕生から30年の節目の年にあたり、2つの特別仕様車を設定。
なかでも「30th Anniversary」は、スバルがこれまで磨き続けてきたスポーティな走行性能を織り込んだ“集大成モデル”として、台数限定で予約が受け付けられました。
外観はフロントグリルやルーフレール、ドアミラーなどを黒で統一したほか、30周年記念を象徴する「30th Anniversary」専用リヤオーナメントや、専用刺繍(ドアトリム)をあしらうなど、30周年の記念車に相応しいスペシャルなアイテムが盛り込まれています。
加えて、STIチューニング日立Astemo製のSFRDフロントダンパーと、STIチューニングリアダンパーを装備。
フラットで滑らかな乗り心地と、思いのままに操れる走行安定性を両立することで、上質ながらもスポーティな走行性能を実現しました。
内装は、アイボリー×ブラックナッパレザーの本革シートを採用することで、スポーティかつ上質なデザインに仕上げています。
30th Anniversaryは500台限定で販売され、2024年10月24日~11月10日の期間中に全国のスバル販売店で抽選申し込みを受け付けられ、11月14日に抽選結果が発表されました。
スバル広報部によると、応募総数は約3200人だったとのこと。当選の倍率は6.4倍と、かなりの争奪戦になったことが伺えます。
アウトバックの有終の美を飾るのにふさわしい豪華な装備に加え、走行性能を高めるSTIの足回りが組み込まれたことが人気に拍車をかけたようです。
また、応募した人は、“スバル以外”のクルマを所有する人が多かったといい、2014年に「レガシィ ツーリングワゴン」が廃止されて「レヴォーグ」へ移行した際に他社に流れたユーザーが、最後のレガシィともいえるアウトバックが終了するにあたり、再び手に入れたいと思ったのではないかと分析しています。
なお、30th Anniversaryの価格(消費税込)は公表されていませんが、スバル販売店に話を聞いたところ、「506万円」という回答がありました。
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もうひとつのアウトバック特別仕様車として「Black Selection(ブラック セレクション)」がラインナップされています。
こちらは、内装にブラックのナッパレザーシートを標準装備。外観はフロントグリルやクロスバービルトインタイプのルーフレール、フロントバンパーガード&フロントフォグランプカバー、ドアミラー、リアバンパーガードなどをブラック統一したスポーティで精悍なモデルです。
販売台数に制限はなく、価格は449万9000円です。ただし、想定を上回る受注があった場合は3月31日以前に終了する可能性があるといい、欲しい人は早めに注文したほうが良さそうです。