福井・岐阜・長野をつなぐ高規格道路「中部縦貫道」のうち、高山市街をこえていく「高山清見道路」工区が、工事最盛期を迎えています。
■渋滞の高山市街を快適にスルー
福井・岐阜・長野をつなぐ高規格道路「中部縦貫道」のうち、高山市街をこえていく「高山清見道路」工区が、工事最盛期を迎えています。
完成すればどう便利になるのでしょうか。また、工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
中部縦貫道は、縦軸の山脈に阻まれて「近くて遠い」状態になっている福井・岐阜・長野の各県を高規格でつなぎ、峠越えや山道に悩まされずにトラック輸送や観光移動を可能にするものです。
そのなかで、東海北陸道から高山市街までは「高山清見道路」として、2004年に開通済み。飛騨地方の中心都市である高山が、高速道路で名古屋方面へ直結した瞬間でした。
さて、そんな高山清見道路は、さらに上高地、松本方面へ延伸すべく、工事が進められています。
具体的には、高山市街の北側で市街東部へ抜け、9.5km先の丹生川地区まで達する工区が、工事中です。2023年12月には、JR高山本線をまたぐ高架橋桁が架かりました。
トンネルは3本とも貫通済み。2016年に上野第1トンネル(延長480m)、2018年に上野第2トンネル(延長320m)、そして2024年10月には、丹生川ICに近い最後の「坊方トンネル」が貫通したばかりとなっています。
それ以外にも、橋梁や切盛土工事は順調に進行中。中間には新たなICが設置予定で、IC周辺の土地活用について検討が進められています。
高山清見道路が丹生川まで開通すれば、高山市街に用の無い交通流が、市街を丸ごとスルー出来るようになります。
これまでずっと、東海北陸道で高山市街までは直結したものの、そこから乗鞍や上高地で行く場合、まともな郊外道路がありませんでした。市街地中心部をカクカクと右左折して、生活交通や市内観光の混雑と信号待ちに悩まざるを得ず、交通課題となっていました。
さて、高山清見道路から先も、上高地に至るまでは長い長い山岳区間が続きます。最後は有料の「安房峠道路」で上高地を通過していきますが、そこへ至る約23kmは「高山東道路」として整備される予定です。
高山東道路のうち、安房峠道路の手前の久手~平湯の5.6kmは、2024年度に念願の事業化を果たしました。じつはさらに高山市街側の、飛騨大鍾乳洞ちかくの日面地区まで、概略ルートは決定済み。さらなる事業化は秒読みと言える状況です。