クルマのナンバープレートには通常「ひらがな」が書かれていますが、ここにアルファベットの「E」が付される場合があります。非常に珍しいものですが、一体どのようなものなのでしょうか。
■「Yナンバー」があっても「Eナンバー」はほぼ見ない?
クルマについているナンバープレートの中でも、あまり見かけることのないレアなナンバーといえばまず、ひらがなの欄に「アルファベット」が書かれたナンバーが挙げられます。
そんなアルファベットのナンバーの中でも、めったに見かけることのできない激レアなナンバーである「Eナンバー」というものが存在します。どのようなクルマについているのでしょうか。
クルマのナンバープレートからはさまざまな情報を読み取ることができます。
最も大きく表示される4桁の数字「一連指定番号」は、希望ナンバー制度により自分の好きな番号を取得できることが知られていますが、それ以外の項目はそれぞれ意味があるため、自分で決めることはできません。
例えば、左上に書かれた地名は、そのクルマが登録された地域の運輸支局や自動車検査登録事務所などが表示されています。
近年では「ご当地ナンバー」により、「富士山」や「知床」など運輸支局などが存在する地名等以外の地名が書かれたナンバーも増えています。
そして、地名の右側の3桁の数字は「分類番号」といい、3から始まる「普通乗用車」や4や6から始まる「小型貨物車」など、クルマの種類が区別されています。
さらに、左下のひらがなで判別できるのが、自家用や事業用など、そのクルマの用途です。
代表的なものに「わナンバー」がありますが、これはレンタカーやカーシェアリングのクルマなど、貸渡用のクルマに使用されています。「れナンバー」も同様です。
そして実は、このひらがなの欄にはアルファベットが書かれることがあるのですが、アルファベットは「駐留軍人軍属私有車両」に使用されることになっています。
アルファベットのナンバーの中で最も多いのが「Yナンバー」で、米軍関係者が個人で所有するクルマに付けられるものです。
そのため、多くの米軍基地がある沖縄県内や、横須賀基地のある「横浜ナンバー」、岩国基地のある「山口ナンバー」などの地域ではYナンバーはさほどめずらしくありません。
一方で、それ以外の地域ではなかなか見かけることがないため、全国的にはYナンバーもレアなナンバーだと言えます。
しかし、Yナンバーをよく見かける米軍基地周辺エリアでも、さらに激レアと言えるナンバーが「Eナンバー」です。
これもYナンバーと同様に、米軍関係者の私有車に付けられるナンバーですが、Yナンバーの車両が日本国内で調達されたクルマであるのに対し、Eナンバーは米軍経由でアメリカから日本の米軍基地に直接持ち込まれた車両に付けられるものです。
アメリカから日本にクルマを持ち込むことは可能ですが、輸送には手間や費用がかかることから、日本国内で調達する人が多いと考えられます。
しかしなかには、アメリカで使用していたクルマをとても気に入っており、日本に赴任した際に一緒に持ち込むのでしょう。
こういった事情から、Yナンバーと比較してもEナンバーは圧倒的にレアなナンバーであると言え、またその車種も日本では販売されていないモデルのことがあるほか、米国仕様となっていることもあるなど、クルマ自体もレアであることが多いのです。
なお、Yナンバーの対象となるクルマのうち、軽自動車やオートバイには「Y」ではなく「A」が使用されることとなっており、こちらもYナンバーと比較するとレアなナンバーです。
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最近は3桁の分類番号にアルファベットが使用されたナンバーを見かけるようになりましたが、ひらがなの欄にアルファベットが書かれたナンバーは米軍関係者のクルマのみとなるため、引き続きレアなナンバーと言えるでしょう。
米軍基地周辺のエリアをドライブする時は、ナンバーに注目してみても面白いかもしれません。