ホンダがジャパン・モビリティ・ショー2023で世界初公開した「プレリュード コンセプト」は、ホンダの新時代を担うスペシャリティ・スポーツとしてすでに多くの注目を集めています。ここまでの経緯をまとめました。
■ホンダ新型「プレリュード」に「名前だけでも欲しくなる」の声
2023年10月、ホンダはジャパン・モビリティ・ショー2023において「プレリュード コンセプト」を世界初公開しました。
近い将来登場するプレリュードですが、現在どのような情報が出ているのでしょうか。
プレリュードと言えば、かつては「デートカー」の代名詞的存在として若いユーザーから絶大な支持を得ていました。
クーペ人気の低迷などから、プレリュードは2001年をもって日本国内での販売を終了していますが、いまなお根強い人気のあるモデルであり、多くのユーザーがその復活を心待ちにしていたのも事実です。
そのようななかで登場した販売終了から約22年のブランクを空けて新たにお披露目されたプレリュード コンセプトは、パワートレインにハイブリッドを採用していることや、2020年代半ばに市販する予定であることなど以外、その詳細についてはほとんど明かされていません。
ただ、そのボディサイズは「シビック」と近く、機構上はシビックのクーペ版と呼べるものになると思われます。
さらに、コンセプトカーとされてはいるものの、エクステリアは細部までデザインされており、市販化が近いことがうかがえます。
プレリュード コンセプトについて、ホンダの三部敏宏社長は「本格的な電動化時代へ“操る喜び”を継承する、ホンダ不変のスポーツマインドを体現するモデルの先駆け」と説明しています。
また、チーフエンジニアを務める山上智之氏も「このモデルは、電動運転の効率性と環境上の利点を運転中の爽快な体験と完璧に融合させることで、その『スポーティ』なDNAを維持しています」と話しており、新型プレリュードがドライバビリティに優れたスポーツモデルであることを示唆しています。
その後、プレリュード コンセプトは2024年5月に北米、同年7月に欧州で公開され、それぞれ注目を集めています。
なお、ジャパン・モビリティ・ショー2023で展示されたものはホワイトのボディカラーでしたが、北米と欧州ではかつての「デートカー」をほうふつとさせるレッドカラーのものが展示されています。
そうしたなかで、2023年の発表からこれまで世界中のファンから様々な反響がありました。例えば見た目については「もっとスポーティなほうが良い」「往年のカクカクデザインが良い」「リトラを採用して欲しかった」という声。
価格面では「理想は300万円台」、「高くても400万円半ばを」などの声がありました。
■新型プレリュードに「疑似MT」搭載の可能性? 登場するなら…価格はいくら?
多くの期待を背負う新型プレリュードですが、2024年11月現在、その詳細や具体的な登場時期についての公式なアナウンスはありません。
一方、2024年10月には、新型プレリュードと思われるテスト車両が欧州で確認されています。
このテスト車両にはカモフラージュが施されてはいるものの、そのスタイリングはこれまで披露されてきたものとほとんど変わらないようです。
また、ある海外メディアは山上氏が「マニュアル・トランスミッションが搭載される可能性」を示唆したと報じていますが、一方で別の海外メディアに対して青山副社長が「マニュアルトランスミッションは搭載されない」と語ったようです。
実際に、シビックなどに搭載されているホンダ独自のハイブリッドシステム「e:HEV」の構造を考えると、機械的なマニュアル・ミッションの搭載は現実的ではありません。
そこで考えられるのが、シフトノブやパドルシフトを操作することによってマニュアル・トランスミッションと同じような感覚が味わえる「疑似MT」の搭載です。
疑似MTは、ヒョンデがすでに市販している「アイオニック5 N」に搭載済み。さらにはトヨタも開発しており、すでにレクサス「UX300e」に搭載した試作車などが公開されています。
なお、トヨタがかつてアメリカの特許庁に申請したものを見ると、EVでありながら6速のマニュアル・シフトと3ペダルを備え、シフトチェンジの際のショックやエンジンサウンドも忠実に再現されることが示されています。
もちろん、新型プレリュードに「疑似MT」が搭載されるのかどうか、あるいは搭載されたとしてもそれがどのようなものになるのかは、現時点では不明です。
ただ、「プレリュード」は「前奏曲」や「先駆け」という意味を持ち、かつては 世界初の「舵角応動タイプ ホンダ4輪操舵システム(4WS)」を搭載するなど、プレリュードは技術革新の中心を担ってきたモデルです。
今回、あえてその名前を復活させるのであれば、新型プレリュードが単なる「シビックのクーペ版」であると考えるのはやや早計です。
三部社長や山下氏のコメントから考えても、優れたドライバビリティを実現するための新技術が採用されることはほぼ確実であり、それが「疑似MT」である可能性は十分にあると言えそうです。
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そしてユーザーが1気になるのは新型プレリュードの価格帯です。
現在、様々なメディアやユーザーが予想しているのは「400万円台半ばから500万円代半ば」という価格帯。
一方で現在、近いパッケージのモデルとしてはハイブリッド車としては「シビックe:HEV(FF/CVT)」の399万8500円から430万7600円。
またスポーティな走りとしては「シビックRS(FF/6速MT)」の419万8700円。そしてホンダFF最速の「シビックタイプR(FF/6速MT)」の499万7300円です。
こうして見ると、現在の予想に近しい価格帯が現実味を帯びてきます。果たしてどのような価格で登場するのか、注目せずにはいられません。