今年も雪のシーズンが本格化してきました。雪が降っていると予想される状況なのに、夏用タイヤで峠を越えようとしてスタックする案件が例年発生し、国土交通省も早めに呼びかけを続けています。
■スタックを招く「ノーマルタイヤ走行」に警鐘
今年も雪のシーズンが本格化してきました。
近年は夏と冬の境目がほとんどなく、真夏日が続いたと思ったらいきなり雪が降ってくるような、極端な気候変化が目につきます。
それにともない、やっぱり「夏用タイヤで雪道を走って、案の定事故を起こす」といった案件も懸念されています。
よくあるのが「市街地など平野部では何ともなかったのに、峠越えをすべく山間部に入った途端、雪まみれの路面に遭遇する」といった「路面環境の急変」を想定できないケースです。
そのため、国や自治体など道路管理者は、11月中から早々に「降雪が確認されつつあるため、早めの冬用タイヤ着用を」と呼びかけ、現場の状況を画像付きで逐次公開しています。
昨年を振り返ると、やっぱり「夏タイヤ自爆」が発生しています。
2023年11月18日に、広島・島根両県の山間部で、「ノーマルタイヤで立ち往生」を含む事故案件が6件も発生。6件中5件が明確に「ノーマルタイヤ車」でした。場所は庄原市の松江自動車道、津和野町の国道9号。時間帯はいずれも8時から10時までのまだ寒い時間帯でした。
中国地方整備局は同22日付で「冬用タイヤの早期装着について(注意喚起) 」というリリースを発出。「積雪・凍結道路ですべり止めの措置をとらない運転は法令違反となります(※編注:「法令違反」部分は赤字で下線付き)」と強調しています。
その前の年(2022年)も同様の注意喚起を行ってきた中国地方整備局。11月30日付でトラック・バス・タクシー・レンタカーなどに関わる運輸関係の各団体へ「降積雪期における輸送の安全確保の徹底について」という通達を出し、冬用タイヤ未装着等で事業用自動車が立ち往生した場合「事業者へ監査を行い、場合によっては行政処分の対象とする」としています。
それでも12月17日~19日にかけて11件の立ち往生案件が発生し、そのうち3件がトラックで、その2件は冬用タイヤ未装着でした。
さらに年明けの1月には「いまだにノーマルタイヤ装着車両の通行があります」とあきれ顔の文面で、再度呼びかけをおこなう事態となっていました。
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今年こそはそうした事態を防ぐため、同局は10月25日に「降雪時の準備はお早めに!!」と発表。
「2023年度のスタックの発生状況は延べ28件発生しており、そのうち約7割(20件)がノーマルタイヤでした」とし、あらためて注意を呼びかけています。