走りを追求するクルマは世界にたくさんありますが、アリエル「アトム」もその中の1台。このクルマについて、現在さまざまな反響が出ています。
■ホンダ「タイプR」の最強エンジン搭載!
走りを追求するクルマは世界にたくさんありますが、アリエル「アトム」はその中でも突出した個性を持つ1台です。
一体どんなモデルで、どのような反響があるのでしょうか。
アリエルは、イングランドのサマセット州クルーカーンにある自動車メーカー。
設立されたのは1991年と比較的新しく、当時は「ソロクレスト」という社名でした。
そして10年後の2001年に、現社名である「アリエル・モーター・カンパニー」へと社名変更。
社長のサイモン・サンダース氏を筆頭に、従業員はわずか7人、年間に生産しているクルマは100台未満という小規模ながら、世界に通用するクルマを生産しています。
アトムは、そんなアリエル・モーター・カンパニーが製造している2人乗りのライトウエイトスポーツカーで、2000年に初登場。
もともとは、コヴェントリー大学のトランスポート・デザイン学科の学生であるニキ・スマートの学生プロジェクトから生まれた、「LSC」(ライトウエイトスポーツカー)というクルマを製品化させたモデルでした。
その特徴は、とにかく車体が軽いこと。ライトウエイトスポーツカーというと1000kg前後のクルマが多いですが、アトムは約半分の500kg台しかありません。
なぜそんなことが可能かというと、ボディというものがほぼ存在せず、さらにドアや窓も無く、運転席、助手席、タイヤ、フレームがむき出しだから。
エアコンやオーディオはもちろんのこと、安全装備も付いていない、まさに走りに特化したクルマとなっています。
そんなアトムは初代モデルが登場してから改良をくり返し、2018年には現行モデルであるアトム4を発表。2019年から年間100台前後の生産を続けて、現在に至ります。
アトムのボディサイズは、全長3520mm×全幅1880mm×全高1122mm、ホイールベースは2390mmで、車重は595kg。
エクステリアは、上述したようにドアや窓、屋根も含めたボディがほぼ存在せず、クルマというよりバイクに近い雰囲気かもしれません。
インテリアもおなじく、クルマの中と外との境界線がほぼ無いに等しいクルマとなっています。
パワートレインは、ホンダの2.0リッターK20C 4気筒i-VTEC直噴ターボチャージエンジンを搭載。
最高出力324馬力・最大トルク420Nmを発揮し、0-100km/h加速は2.8秒、最高速度は260km/hと、日産GT-R NISMO並の加速力を誇ります。
ちなみに上記のエンジンは、ホンダ「シビック タイプR」に搭載されているのと同じもの。
アトムのエンジンは初代モデルから他社製のものを採用しており、初代は「ローバー」というイギリスの自動車メーカーの「Kシリーズ」というエンジンを搭載していました。
2代目アトム(アトム2)からホンダのエンジンを採用するようになり、上級グレードでは低速からでもパワーを出しやすいスーパーチャージャーも追加で搭載。
そのほか、V8エンジンを搭載した限定モデルも過去には登場するなど、数年おきにエンジンを変えながら改良を続けています。
ボディカラーは、ホイールやボンネット、吸気口など部位別にさまざまなカラーが用意されており、ユーザーは好きなカラーを組み合わせて、世界に1台だけのアトムを作ることが可能。
車両価格は3万9975ポンド(約782万円)からとなっており、日本でもナンバーを取得すれば公道走行可能なため、すでに業者によって輸入されています。
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このような個性を持つアトムに、日本国内でも様々な反響が出ています。
まず見られるのが、「お金持ちでドライビングスキルも高くてサーキット走行を楽しめる人じゃないと使いこなせないクルマ」「雨風も防げないのはさすがにスパルタンすぎる」「秋とか気候の穏やかな季節に紅葉の山岳路をドライブしたら最高でしょうね」という声。
日常生活での実用性は決して高くないと感じつつも、雨風や寒暖の心配をしなくてよい時期に風景を楽しむぶんには最高のクルマだと感じるユーザーは少なくないようです。
次に見られるのが、「エンジンホンダだからいいよな!」「この手の常軌を逸したライトウエイトスポーツ大好き」という声。
上述したように、アトムにはホンダ・シビック タイプRと同じエンジンを搭載してあり、国産ゆえの信頼感と性能に魅力を感じるユーザーも見られました。
さらに見られるのが、「バイク免許取ったけど2輪はなんか違ったから、アトムみたいなの欲しい」という声。
4輪でありながら風を思い切り感じることができるため、そこに魅力を感じるクルマ・バイクユーザーにとって、アトムは第3の選択肢となりえるかもしれません。