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ホンダ「“NSX”セダン」がスゴイ! 大排気量「V6」×画期的「4WD」搭載でもはや「スポーツカー」!? 先進的すぎた「レジェンド」とは

くるまのニュース 2024年11月29日 20時10分

ホンダのフラッグシップモデル「レジェンド」。現在はラインナップから姿を消してしまいましたが、最終型「レジェンド」がどのようなクルマだったのか改めて紹介します。

■世界初の技術を次々に採用してきた「レジェンド」

 「レジェンド」は、かつてホンダが生産・販売していた高級セダン・2ドアクーペで、初代は1985年にデビューしました。

 初代レジェンドは、ホンダ初となる3ナンバーのフラッグシップモデルで、当時業務提携をしていた英国「ブリティッシュ・レイランド(後のローバー)」の高級車の開発ノウハウを取り入れた共同開発車でした。
 
 また、初代は国産車初の運転席SRSエアバッグを搭載、後期型では世界初となるFF車用トラクションコントロールを採用しました。

 1990年にレジェンドは2代目へフルモデルチェンジします。2代目は、FFでは非常に珍しい縦置き・フロントミッドシップエンジンというレイアウトを採用し、国産車初となる助手席SRSエアバッグを搭載しました。また海外仕様の後期型では、これも国産車初となる6速MTを採用しました。

 1996年に3代目へとフルモデルチェンジをしますが、2代目に数々奢られた豪華装備から一転、装備は簡素化されコストダウンが図られていました。

 3代目の販売期間、1996〜2004年はバブル崩壊のあおりを受けていた頃で、自動車業界では、セダン不人気が顕在化した時期でもありました。

 2004年にレジェンドは4代目へとフルモデルチェンジします。トピックに乏しかった3代目と比較すると4代目は、新開発の電子制御四輪駆動システム「SH-AWD」を採用、スポーティーな高級セダンとなり、2004年7月にそれまでの普通車の最高出力自主規制280PSが解除されたことを受け、国産車では初となる最高出力300PSのスペックとなりました。

 4代目レジェンドは幾度か改良を受け、最終型となった最後の改良は2010年10月、このときは高速道路などのつなぎ目を越えるときなどの不快な共鳴音を抑制する、中空構造で内部にレゾネーター(消音装置)を備えた、世界初のノイズリダクション機能をもったアルミホイールが採用されました。

 2012年夏に、レジェンドは日本市場での販売が終了となりましたが、同年11月のロサンゼルスオートショーで、レジェンドの北米版でアキュラブランドから販売される「RLX」が発表され、翌年に発売となりました。

■構スゴかった!最終型レジェンド

 日本市場では、2015年2月に5代目レジェンドが復活し、これが現時点において最後の世代となりました。

 5代目レジェンドは、新開発の3.5リッターV型6気筒VTECエンジンと3モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」にパドルシフト付き7速DCTの組み合わせというパワートレインを採用しました。FFベースのAWD、MRベースのAWDと構成は異なるものの「SPORT HYBRID SH-AWD」自体は「NSX」と共通で、一部では「セダン版NSX」などとも呼ばれています。

 このハイブリッドシステムは、フロントにエンジンとモーター1基、後輪の左右それぞれにモーターを1基ずつ配置する構成で、システム総合最高出力382PS・同最大トルク463N・mというスペックとなっていました。

 2021年3月には「Honda SENSING Elite(ホンダセンシングエリート)」を搭載したレジェンドを発売。

 ホンダセンシングエリートは、高速道路での渋滞時などの一定の条件下で「ハンズオフ」すなわち”手放し運転”を可能にする自動運転レベル3相当の技術をもっています。

 このハンズオフ機能は、車線変更も可能とし、ドライバーは常に車両前方等の安全を確認し、即座にシステムからドライバー自身への運転を引き継げる状態にしていなければなりませんが、ハンドル操作とアクセル・ブレーキ操作から解放され、運転時の疲労を大幅に軽減し、事故防止にも効果を発揮するシステムとなっていました。

 また、渋滞運転機能「トラフィックジャムパイロット」では、アクセル・ブレーキ・ステアリング操作をドライバーに代わってシステムが操作し、ドライバーはナビ画面でテレビやDVDの視聴などができるようになっていました。

 ハンズオフ機能は、ホンダより日産が先駆けて2019年9月に「スカイライン」に搭載して発売していますが、トラフィックジャムパイロットは、レジェンドだけのものでした。

 このようにレジェンドは、その車名のとおり「伝説」となる数々の新技術を採用してきました。最終型レジェンドのセールスは好調とは言えず、ホンダセンシングエリート搭載車は限定100台でリース販売のみという特殊は売り方でしたが、自動車業界では「かなりスゴイ」クルマとして高い注目を集め、最後までホンダのフラッグシップモデルとしてリードしてきたのでした。

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