ジャパン・モビリティ・ショー2023でホンダが世界初公開した「プレリュード コンセプト」。日本の販売店にはどのような声が寄せられているのでしょうか。
■新時代の「デートカー」は市販化目前か
ホンダがジャパン・モビリティ・ショー2023で世界初公開した「プレリュード コンセプト」。
近い将来登場するようですが、日本の販売店にはどのような声が寄せられているのでしょうか。
ジャパン・モビリティ・ショー2023において、ホンダはプレリュード コンセプトを世界初公開しました。
プレリュード コンセプトの発表の際、ホンダの三部敏宏社長は「本格的な電動化時代へ“操る喜び”を継承する、ホンダ不変のスポーツマインドを体現するモデルの先駆け」、そして「どこまでも行きたくなる気持ちよさと、非日常のときめきを感じさせてくれる、スペシャリティスポーツモデル」と説明しています。
さらに、「現在、鋭意開発を進めています。ぜひ、ご期待ください」と述べ、多くのファンを沸かせました。
また発表時にチーフエンジニアを務める山上智之氏も「このモデルは、電動運転の効率性と環境上の利点を運転中の爽快な体験と完璧に融合させることで、その『スポーティ』なDNAを維持しています」と話していました。
その後も2024年5月に北米、同年7月に欧州で日本での展示とは異なる赤いボディカラーの個体が公開され、それぞれ注目を集めています。
また最近では、海外でプレリュード コンセプトの市販版と見られるテスト車両が目撃されています。
同時期には海外メディアが「MTが搭載されるか」という報道が出ているなかで、一部の海外メディアに対して青山副社長が「マニュアルトランスミッションは搭載されない」と語ったようです。
一方で、昔ながらの機械式MTではなく、「疑似MTを搭載するのでは?」という見方も出てきています。
しかしながら、新たな公式情報もほとんどありません。
そうした状況のなか、日本のホンダ販売店には一部のユーザーから問い合わせの声が届いているようです。
都内のあるホンダ販売店関係者は、プレリュード コンセプトの反響について次のように話します。
「プレリュード コンセプトが発表されてから、市販版がいつ発売するのかをお問い合わせになるお客様は一定数見られます。
正直なところ、具体的な発売日については私たちもまったくわかりません。
ただ、ジャパン・モビリティ・ショー2023に展示されたプレリュード コンセプトは、細部のデザインがかなり細かく作り込まれており、そのまま市販できるような仕上がりでしたので、わりかし早く登場するのではないしでしょうか」
■価格は500万円前後? プレリュードの何に興味を持ってる?
前出のホンダ販売店関係者は、「『プレリュード』という名前に反応されるお客様も少なくない」としたうえで、次のように続けます。
「やはり、かつて『デートカー』として一世を風靡したころのプレリュードを知るお客様にとっては、その名前がなつかしく感じるようです。
ただ、現時点では、具体的に購入を検討するというお客様は少ないのも事実です。
その理由はいくつか考えられますが、2ドアクーペであることから実用面で敬遠されがちであることは間違いありません。
また、かつてのプレリュードを知るお客様からすれば、その現代的なデザインが受け入れられないのかもしれません。
さらに言えば、おそらく500万円程度になるであろうその価格も、かつてのプレリュードと比べて『高すぎる』と感じるお客様は多そうです。
むしろ、『プレリュード』という名称に先入観のない比較的若いお客様のほうが、具体的に興味を持たれるケースが多いように感じます。
現代は『デートカー』が流行した時代とはさまざまな意味で異なりますが、スポーティな2ドアクーペのカッコよさはいまの若いお客様にもしっかりと伝わっていると思います」
多くのユーザーがプレリュード コンセプトの市販化を心待ちにする一方、現時点では詳細はほとんど明らかにされていません。
そのなかで、ユーザーが気になるのは価格帯でしょう。SNSでは「理想は300万円台」、「高くても400万円半ばを」などの声が見られました。
現在、ホンダが展開するプレリュード コンセプトに近いモデルとしては、「シビックRS(FF/6速MT)」の419万8700円。そしてホンダFF最速の「シビックタイプR(FF/6速MT)」の499万7300円が挙げられます。
おそらくこれに近しい価格帯が現実的なところになると思われますが、どのような価格で登場するのか、ホンダからの公式なアナウンスを待つしかありません。