中古車市場で珍しい個体が発見されました。その名も「ZENOS E10」。ゼノスは日本でも聞きなれないブランド名および車名です。一体どんなブランドでどんな車なのでしょうか。
■「ZENOS E10」どんなクルマ?
中古車市場に、ゼノス「ZENOS E10」というモデルが出品されています。
オープンな2人乗りスポーツカーとはどのようなものなのでしょうか。
まるでスポーツコンセプトカーのように屋根がないフルオープンの車体で、2シーター仕様と趣味志向が前面に出ている車で、年式は2022年とそんなに古くはありません。
出品時の総走行距離は701kmで、車検は2025年7月まで設定されており、支払い総額は605万円で公開されています。
非常に珍しいスポーツモデルが、ほぼ新車の状態で600万円強で購入可能とはある意味バリューが高そうですが、そもそもゼノスとはどのようなブランドなのでしょうか。
ゼノスは2012年に英国で立ち上がった新興ブランドです。日本でも知名度のあるロータスやケータハムの重役を歴任したアンサー・アリ氏が設立しました。
ところが経営難となり破産します。しかし2017年に買収により再起。親会社となったのは「ACカーズ」で、社名も「AC ゼノス」となりました。
ACカーズはイギリスで誕生した自動車メーカー。最も有名な車種は「ACコブラ」です。
ACコブラは、アメリカのレーサーでカーデザイナーでもあるキャロル・シェルビー氏が開発に関わったことから「シェルビー・コブラ」としても知られています。
2017年以降のゼノスはそのACカーズファミリーとなり、独自のモデルを開発しています。
これまでに生産・販売した車種は「E10」のみで、ベーシックのほか「E10S」「E10R」といった高性能グレードもラインナップされました。
E10は2013年にプロトタイプが完成し、2014年にハンドメイドのクラフトラインを構築、2015年に正式発表となり、現在もゼノス唯一の量産車として生産が続いています。
実はゼノスは日本でも正式に取り扱いがあり、ゼノスカーズジャパンが存在するほか、全国に計8箇所の販売網があります。つまり、E10は新車購入が可能です。
ちなみにE10のスペックは、全長3800mm×全幅1870mm×全高1130mmで、ホイールベース2300mm、車両重量はベーシックモデルで700kg、Sモデルで725kgと軽量です。
エンジンはフォード製のエンジンを使用し、ミッドシップ(車体の中央)に搭載。ベーシックには1999ccの直列4気筒DOHC自然吸気を採用。最高出力149kW(203PS)/6800rpm・最大トルク210Nm(21.4kgm)/6100rpmを発生します。
対してE10Sには同じフォード製1999ccの直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載。最高出力186kW(254PS)/6800rpm・最大トルク400Nm(2500rpm)を発揮。
今回の中古車市場で発見したケータハム東名横浜が取り扱ってる個体で、ベーシックのE10となっています。
担当者はこの個体について次のように話しています。
「もともとデモカーとして使用されてきた個体なので、走行距離も短く新車に近い状態です。
乗り降りの際に付いた小さなキズはありますが、大きなキズやヘコみはありません。カスタムもされておらず純正のままです。
もともと軽量でスピードが出るように設計されたクルマなので、運転の楽しみは大きいでしょう」
実際に車両を見た顧客からは「この性能に対してこの価格は安いと思う」という声が聞かれるそうです。