2024年11月21日、愛知県・岐阜県を舞台にFIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦「ラリージャパン」が開幕しました。開会式典が開催された「豊田スタジアム」ではブルーインパルスがアクロバット飛行を行っています。どのようなものだったのでしょうか。
■会場大興奮! めったに見れない「アクロバット」が凄かった
2024年11月21日、愛知県・岐阜県を舞台にFIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦「ラリージャパン」が開幕しました。
開会式典が開催された「豊田スタジアム」では21日、ブルーインパルスがアクロバット飛行を行いました。
ブルーインパルスは航空自衛隊に所属するアクロバット飛行を専門とするチームで、正式には宮城県松島基地 第4航空団所属の「第11飛行隊」といいます。
航空自衛隊の航空祭だけでなく、コロナウイルスで多忙を極める医療従事者への感謝や敬意を表するためや、東京オリンピックなどの国民的行事でも飛行することがあります。
使用される機体は1996年から、カワサキが生産する「T-4」中等練習機が採用されています。ターボファンエンジン「F3-IHI-30B」を2基搭載し、最大速度はマッハ0.9(1040km/h)を発揮。
ボディサイズは全長13.0m×全幅9.9m×全高4.6mで、乗員は2人まで搭乗可能です。
そして、飛行当日。13時40分頃に航空自衛隊小牧基地を出発したブルーインパルスは予定通り、14時頃に豊田スタジアム上空に到着。天気は快晴で、航空ショーを見るにはぴったりな好天に恵まれました。
当日は平日の木曜日でしたが、ブルーインパルスを一目見ようと、ラリーファンだけでなく、大きな望遠レンズを持った航空ファンや地域住民、子ども連れの親子などが大勢集結しました。
豊田スタジアム近くの矢作川に架かる豊田大橋や久澄橋などは恰好の観覧ポイントとして人気だったようです。
そして、「リーダーズ・ベネフィット・ローパス」から計12の演目を実施。
「ハンマーヘッド・ローパス」「エシュロン・ローパス」「クリスマスツリー・ローパス」「デルタ360°」「ナイフエッジ」「チェンジ・オーバー・ターン」「フェニックス・ローパス」「さくら」「ビッグ・ハート」「720°ターン」「サンライズ」の順でアクロバット飛行が実施されました。
同じタイミングでスタジアム内はラリーカー同乗体験が実施されており、ラリーマシンのエンジン音とT-4のエンジン音がミックスされ、めったに味わえない体験が得られていました。
スタジアム内の観客は皆一様に空を見上げて、時折歓声が上がるなど、大興奮の状態。一生懸命写真に収める人もいれば、またとないチャンスを目に焼き付けておこうとする人まで、楽しみは一様。子どもたちは大いに盛り上がっています。
風もなく雲も少なかったことからブルーインパルスが描いたスモークは、豊田市の上空をアート作品のカンバスへと一変させ、興奮冷めやらぬまま終了。会場は大きな拍手で包まれました。
そして“つかの間のヒーロー”となったブルーインパルスたちは、ラリージャパンの盛り上がりを祈念し、小牧へと帰還しました。
なお、飛行前には飛行隊長の江尻卓2佐(1番機)と飛行班員の松浦翔矢2尉(3番機)によるトークショーとサイン会も開催。航空ファンも大満足のイベントとなりました。