奈良県の国道25号で、法隆寺周辺の渋滞区間をスルーする「いかるがパークウェイ」の整備が進んでいます。開通すれば一体どう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
■事業化から50年以上が経過
奈良県の国道25号で、法隆寺周辺の渋滞区間をスルーする「いかるがパークウェイ」の整備が進んでいます。
開通すれば一体どう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
いかるがパークウェイは「斑鳩バイパス」の別名で、斑鳩町内で国道25号を南側へバイパスする4.7kmの新ルートです。
法隆寺周辺の国道25号は、旧態依然とした狭い2車線道路で、歩道も路肩も無い生活道路然とした状況です。住宅地なだけでなく、ここへ観光交通が集中してくるため、混雑と危険性が課題になってきました。
当然ながら渋滞ポイントで、この約5kmを抜けるのに15分かかっています。斑鳩バイパスが完成すれば、これがわずか5分に短縮されることが見込まれています。もちろん、安心して歩行者や自転車が通り抜けることができます。
1972年に事業化したものの、それから50年以上経っても、まだ未完成です。かつては「斑鳩バイパス計画白紙撤回要求協議会」も設立されるほどでしたが、2013年に解散。地元の斑鳩町は毎年のように国へ、整備促進について要望を続けています。
気になる進捗ですが、長らく1.1kmだけブツ切れの宙ぶらりんだったのが、2020年に西側が開通。ようやく、大阪方面からバイパスへ入っていけるようになりました。とはいえ、まだ西半分しかなく、法隆寺の山門前まですら到達できていません。
現在は、そこからさらに約800m延伸する工区で、工事が始まっています。完成すれば県道・大和高田斑鳩線に接続し、JR法隆寺駅と国道25号へアクセスできるようになります。
まず最初の400mほどは排水構造物から整地までほぼ完了していて、そこから東半分も、徐々に側溝や擁壁が姿をあらわしてきています。
そこからは、富雄川の手前で国道25号へ合流するまでの2.4kmを残すのみですが、2021年の事業評価で1か所の「反対自治会あり」とされるなど、用地取得に時間がかかっている状況です。
国土交通省は「引き続き斑鳩町及び奈良県とともに、事業計画にご理解頂けるよう努めて参ります」としています。