名だたる名車やレアなクルマがオークションに出展された際は、想像を超えるとんでもない金額で落札されることが多々あります。なかでも過去最高額で取引されたクルマは、一体どのようなモデルなのでしょうか。
■クルマ史上、最も高額なモデルとは?
貴重なクルマがオークションに出展された際は、想像を超えるとんでもない金額で落札されることが多々あります。
例えば、2023年にイギリスのオークションでは、映画撮影で使われた「スカイラインGT-R(R34型)」が出品され、当時の日本円に換算すると約1億9000万円で落札されました。
ほかにも、オークションでは様々なクルマが、目が飛び出るような金額で取り引きされていますが、なかでも過去最高額で取引されたクルマは何かご存じでしょうか。
過去最高額で取り引きされたクルマとは、メルセデス・ベンツの「300SLR ウーレンハウトクーペ(以下300SLR)」です。
2022年にメルセデス・ベンツ博物館で行われたオークションで、なんと1億3500万ユーロ、当時の日本円で約180億円という高額で落札されました。
300SLRは、1992年まで開催されていた2シータースポーツモデルの耐久レース「スポーツカー世界選手権」に出場するために開発されたクルマです。
これは、F1でも活躍した「W196」というフォーミュラカーを2シーターに改良したもので、シャーシやブレーキ、サスペンションはW196と共通。
エンジンもW196用の直列8気筒エンジンをベースにしているものの、排気量は2.5リッターから3.0リッターにアップ。
最高出力も290psから310psへとパワーアップしています。
300SLRはオープンモデルが7台、屋根のあるクーペモデルが2台の計9台が生産されました。
元々は全てクーペタイプになる予定でしたが、ドライバーからの要望でオープンモデルがメインになったといわれています。
また、特徴的な“ウーレンハウトクーペ”という名前は、設計者のルドルフ・ウーレンハウトにちなんでいます。
オークションで最高額をたたき出したのは、わずか2台しか生産されなかったウーレンハウトクーペのうち1台です。
ウーレンハウトクーペは元々2台ともメルセデス・ベンツが所有していましたが、研究・教育機関である「メルセデス・ベンツ基金」の設立資金を得る目的で、1台がオークションに出品。
先述のとおり、クルマの取引価格としては史上最高額で落札されることになりました。
それまでの過去最高額は、2018年に個人間取引で売却された「フェラーリ 250GTO」の5300万ポンド(当時の日本円で約76億円)でしたが、それを大幅に更新。
ちなみに残る1台は、現在もメルセデス・ベンツが所有しており、博物館に飾られているとのことです。