日産は2024年10月、インドで生産・販売されるコンパクトSUV「マグナイト」をマイナーチェンジしました。日本には売られないモデルですが、どのようなクルマなのでしょうか。
■日本になぜない!? 1リッターエンジン搭載の新型「コンパクトSUV」が気になる!
日産はインドなどで「マグナイト」という日本未導入のコンパクトSUVを販売しています。
2024年10月にはマイナーチェンジを図るなど進化を遂げていますが、果たして日本導入はあるのでしょうか。
現在、日産の日本国内におけるSUVラインアップは、コンパクトクラスの「キックス」とミドルクラスの「エクストレイル」、そして電気自動車(EV)「アリア」の3モデルです。
小型から大型までさまざまなSUVを積極的に展開する国内の他メーカーに比べれば、かなり少ないラインアップといえます。
しかし日産も、グローバルでは多くのSUVをラインアップしています。
たとえば北米では、「キックス」「アリア」「ローグ」(日本名:エクストレイル)に加え、「パスファインダー」「ムラーノ」「アルマダ」と合計で6モデルも展開しています。
しかも北米向けのキックスは2024年3月にフルモデルチェンジした新型モデルであり、日本に比べてかなり充実していることがわかります。
他の地域に目を向けてみると、インドで現地生産されるコンパクトSUV「マグナイト」がラインナップされています。
2021年に発売され、アフリカや中東などにも輸出される戦略モデルで、2024年10月4日にはマイナーチェンジを実施したばかりです。
ボディサイズは全長3994mm×全高1758mm×1572mmで、ホイールベースは2500mm。
日本の「キックス」(全長4290mm×全高1760mm×1605mm)よりもひとまわり小さく、国内最小・最安のコンパクトSUV、トヨタ「ライズ」/ダイハツ「ロッキー」(全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm)に近いサイズ感です。
ライズ/ロッキーが販売ランキングで常に上位に位置する人気モデルであることを考えると、対抗馬として導入しない理由が見当たりません。
外観は2024年10月のマイナーチェンジで、新デザインのハニカムグリルやフローティングアップリフトスキットプレート、アルミホイールなどを採用し、上質感を向上させています。
パワートレインは、1リッター直列3気筒の自然吸気エンジンと、同ターボエンジンを用意。前者は最高出力72ps・最大トルク96Nm、後者は100ps・160Nmをそれぞれ発揮します。
ライズ/ロッキーも1.2リッター自然吸気エンジンを主力に、4WDには1リッターターボエンジンを組み合わせており、こうした点もよく似ています。
トランスミッションは、自然吸気エンジン車に2ペダルの5速AMT(セミAT)と5速MTを設定。ターボエンジン車には、CVT(自動無段変速機)と5速MTが設定されます。
■インドでは100万円台で販売される「マグナイト」
マグナイトは、2024年10月のマイナーチェンジで機能も向上しています。
TFTディスプレイを新採用したインフォテイメントシステムはスマートフォン連携機能を強化したほか、ワイヤレス充電機能も搭載されました。
360度の周囲を表示するアラウンドビューモニターやリモートエンジンスタート、冷却機能付きグローブボックス、エアイオナイザー(プラズマクラスター)などを採用したほか、4色のカラーチェンジが可能なアンビエントライトも備わります。
さらに内装には、インドの同セグメントで初のレザー内装パッケージを設定。
明るいブラウンオレンジ色カラーを基調に、個性的なハニカムキルティングパターンのレザーシートやレザーのドアトリム、ステアリングホイール、シフトレバーなどがセットされており、上質な雰囲気となってます。
安全面では、衝突安全性を強化したボディや、6つのエアバッグやESC(横滑り防止装置)、トラクションコントロールなどの機能向上が図られました。
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マグナイトはインドで、59万9400ルピーから販売されています。日本円に換算すると約108万円となります。
ハイブリッド車のみの設定とはいえ、キックスの日本仕様が308万3300円からの価格設定となっているので、大幅に安価な設定がなされています。
日本導入する場合、日本への法規対応や運転支援機能の追加などを考えても、200万円台前半に設定されることが望まれます。
昨今はホンダ「WR-V」やスズキ「フロンクス」など、インドから日本へ輸入されるコンパクトSUVが増えています。
なんといってもマグナイトにはMTが設定されているのが強みではないでしょうか。
昨今はマニュアルが設定されるモデルが若干増えつつあります。ただ、SUVへの採用はごく一部の特別なものに設定されているのみです。
もしこのパッケージのまま日本に導入されれば、競合のいない唯一の存在として注目されることは間違いないでしょう。