駐車をするとき、運転席から離れている左側はついつい大きく開けがちです。見えにくい左側の車両感覚をつかむ「画期的な方法」について紹介しましょう。
■「えいや!」は絶対にダメ! 身につけたい「車両感覚」とは
対向車と狭い道ですれ違うときや、路上で左寄せをして駐停車をする際、ほかのクルマや壁・柱などとの距離感がわからず、何度も何度も切り替えを繰り返す、という人は少なくないのではないでしょうか。
特に運転席から離れている左側はわかりづらく、大きく開けてしまいがちです。そこで、見えにくい左側の車両感覚をつかむ“画期的な方法”について紹介します。
駐車をする際に「クルマの鼻先や後端などが見えないから怖い」という人は、「車両感覚」が身についてない可能性があります。
車両感覚とは、運転席に座った状態でクルマの前後・左右端がどこにあるか、おおよそ判断できる感覚のこと。
運転が上手な人は、クルマの鼻先や後端、前後左右のタイヤの位置など、運転席からは見えないものであっても、どこにあるのか、おおよそ判断できています。
そのため、狭い道で対向車とギリギリの間隔ですれ違うこともできますし、狭い駐車場であっても最小限の切り返しで、さっと駐車をすることができるのです。
昨今は、多くのクルマに後方確認用のモニターがついていますし、クルマを上から見たときの映像(俯瞰映像)を確認しながら駐車できるクルマも増えています。
そのため、シビアな車両感覚はさほど必要ないのでは、とも思われるかもしれません。
しかし、モニターの故障などなんらかの事情で映像を確認できないこともあり得ます。
ドライバーたるもの、どんなシーンでも安心してハンドルを握るためにも、やはり車両感覚は身に着けておきたいものです。
■下手でもOK!? 車両感覚が身につく「画期的な方法」とは
車両感覚について、ホンダでは次の方法で覚えると良いと公式サイトなどで呼びかけています。
キーとなるのは「5つのライン」を覚えることです。
5つのラインとは、フロントバンパーの前端ライン(横方向)と、4輪あるタイヤそれぞれの中心から、前方にタイヤと水平に伸ばした縦方向と、それと垂直に横方向に延ばした延長線のこと。
これが運転席に正しく座った状態でどのように見えるのかを覚えておくことで、車両感覚が身につくのだといいます。
見え方は車種やドライバーの体格によって違ってきますが、たとえばフロントバンパーの前端ラインは、運転席からはおおよそ運転席側のドアミラーの根元あたりに見えることが多いです。
これを覚えておくことで、いざというとき、「イチかバチか」で「えいや!」とクルマを操作するような危険なこともなくなります。
特に苦手な人が多い左側に関してはどうでしょう。
左前輪の縦方向の延長線は、運転席からみて、ボンネットの中心あたりに見えることが多いです。
同じように、左後輪の横方向の延長線は、左側の助手席と後席との間の柱(Bピラー、センターピラー)のあたりに見えることが多いです。
この感覚を覚えておけば、運転席からは見えないタイヤでも、いまおおよそどの位置にタイヤがあるのかがわかるため、クルマを左寄せする際の目安とすることができるのです。
安全をじゅうぶんに確保したうえで、駐車場の白線などを基準にして確認してみるのもオススメです。
クルマから降りて位置関係を確かめてみると、より理解が深まるでしょう。
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5つのラインの覚え方としては、「ドアミラーの根元」、「Bピラーの下」、「トリム部品の継ぎ目」など、そのクルマにある部位で覚えておくと便利です。
慣れるまでは“ふせん”などで目印をつけておくというのもひとつの手。
クルマを寄せるのが苦手、という人はぜひやってみてください。