クルマの運転席にあるメーターパネルには、さまざまなインジケーター(表示灯)があります。そのなかで、意外と知られていないのは、謎の「光るカメ」のようなランプです。何を意味しているのでしょうか。
■謎の「光るカメ」その意味は
ハンドルの奥には、クルマの速度メーターだけでなく、さまざまなインジケーター(表示灯)があります。
そのなかで、意外と知られていないのは、謎の「横を向いた亀」のようなランプです。
いったいどのような時に光って、何を意味しているのでしょうか。
「光るカメ」ランプの正式名称は「出力制限表示灯」などがあります。
このランプが光るタイミングは、ハイブリッド車やEVの「駆動用バッテリー」が「残量不足」あるいは「温度が異常に高い/低い」時です。
要するに、駆動用バッテリーの機能が正常に果たせず、クルマのパワーが出ないので、カメのように遅くなってしまいますよ、という意味なのです。
では、いざ運転中にこの「光るカメ」が点灯したら、その場でどうすればいいのでしょうか。
まず、EVであれば、バッテリーが電池切れになったらおしまいです。「ガス欠」と同じように、ロードサービスなどに救援してもらうしかありません。
いっぽうハイブリッド車であれば、運転中常に充電と放電を繰り返しているので、基本的に「バッテリー残量不足」というのは発生しません。
エンジンだけでも走れますし、日産「e-POWERシステム」は、そもそもエンジンを回して電気を発生させて、モーターを回す仕組みです。
ところが、駆動用バッテリーが劣化したり故障すると、そのへんが上手くいかなくなり、「光るカメ」が点灯する場合もあるのです。
さて、それも含めて、「光るカメ」が光った時に「残量不足なの? それとも異常な温度なの? 何かのトラブルなの?」と悩むかもしれません。
実は、多くのクルマでは、別のインジケーターや表示でそれが判別できるようになっています。たとえば、トヨタの「EVシステム異常警告灯」や日産車の「e-POWERシステム警告灯」は、システムそのものに何らかのトラブルが発生していることを表しており、ただの電欠ではないと分かります。
その場合でもやはり、何となくダラダラと走行を続けるのは危険です。すみやかに安全な場所に停車し、自分勝手な判断をせず、ロードサービスをはじめ販売店などに相談し、適切に対処しましょう。