マツダのコンパクトカー「MAZDA2(マツダ2)」は2014年、当初「デミオ」(4代目)の名でデビューし、すでに10年が経過しています。果たして次期型はどうなるのでしょうか。
■他社とは一線を画す個性を持った「小さな高級車」
マツダのコンパクトカー「MAZDA2(マツダ2)」のモデルチェンジは、いったいいつになるのでしょうか。
現行型は2014年にデビュー。当初は「デミオ」(4代目)の名でしたが、2019年のマイナーチェンジ時に名称を変更しました。登場から10年が経過した、マツダ2の次期型について予想します。
マツダ2は、コンパクトカーでは唯一となるディーゼルエンジン車をラインナップし、また4WDはマツダの上級車種にも搭載される、電子制御トルク配分機能をもった「i-ACTIV AWD」を採用するなど、他社のコンパクトカーにはない独自の特長があります。
また内外装の仕上げも極めて上質かつスタイリッシュ。「コンパクトカー=廉価なベーシックモデル」といった一般的なイメージとは一線を画す、いわば「小さな高級車」というべき強い個性を持ったモデルです。
またデビュー後も毎年のようにモデル改良を実施しており、最新の運転支援機能を搭載したり、デザイン面での改良を図るなど、アップデートを続けています。
とはいえ前述の通りデビューから10年を迎えており、いつフルモデルチェンジしてもおかしくない時期ではあります。
しかし2024年11月末現在、国内外含めてその兆候はみられないようです。
最近の国産車は、新型を先に海外市場でデビューさせることが増え、日本市場導入は1年以上遅れることも珍しくなくなっています。
この背景には、どの国産車メーカーもグローバル総販売台数に対し、日本市場での販売割合がおおむね2割台以下となっているという側面があるようです。
マツダも2024年度上半期のグローバル販売のうち、国内販売は10.2%でした。
そんな訳でマツダの新型車も、メイン市場となる北米もしくは欧州でワールドプレミアが実施されることが主流となっています。
したがってそれぞれの市場のカーラインナップは、将来の動向を予想するのに大いに参考になります。
しかしマツダ2については、少々様子がおかしいようです。
■欧米向け「マツダ2」の動向から予想する「次期マツダ2」
マツダ2は欧州で販売されている一方、現在北米では販売されていません。
欧州のマツダのラインナップを見ると、マツダ2はガソリンとハイブリッドの2モデルがありますが、このうちハイブリッドは。マツダのクルマではない顔つきとなっています。
種明かしすると、欧州市場向けマツダ2 ハイブリッドの正体は、トヨタ「ヤリス」です。
これはトヨタとマツダの資本提携および業務提携から、そのラインナップが実現したものです。
逆に北米では2015年から2020年に、マツダ2をトヨタへOEM供給を行い、ヤリスの車名で販売されていました。
一時期ではありますが、トヨタとマツダはコンパクトカーの相互交換をしていた形を取っていた訳です。
マツダ2が北米市場でヤリスとして販売されていたものの、5年で終わってしまった理由のひとつに、販売不振があったようです。北米市場ではそもそもコンパクトカーの需要が低いという背景が影響していたと考えられます。
自動車メーカーとしては規模が小さいマツダは、北米市場で売れないモデルを新たに開発することを経営戦略上避けているとも考えられます。
加えてマツダの販売戦略は、ここのところラージないしミドルサイズのSUVに力を入れています。
続々と新型車を発表し、日本市場でもラージクラスSUVの「CX-60」「CX-80」が相次いでデビューしました。
この先、主力のミドルクラスSUV「CX-5」も新型登場が控えているようで、開発資源をSUVに集中させている、とも推測できます。
しかしマツダユーザーのエントリーモデルとして、マツダ2が果たす役割は少なくありません。
またビジネスユーザーの需要も少なからずあるようで、いきなりモデル廃止ということはないでしょう。
そうなると自社開発によるマツダ2は現行型で終了し、次期型はヤリスのOEMに、というストーリー展開が見えてきます。
現行型にハイブリッド車がない点も、ヤリスならカバーできます。
2025年にはその動きが見えてくるかもしれません。新型マツダ2の今後の動向から引き続き目が離せないところです。