クルマの運転中、道路の形状や標識の表示方法などによっては、どのように通行すれば良いのか判断に迷う場面があります。特に住宅地などに多く存在する信号機のない十字路交差点は、どちらの進行方向が優先なのか分かりにくいといえるでしょう。
■交差点の優先はどのように決まっている?
信号のない交差点の場合、どちらが優先かわからなくなってしまいがちです。
道路の優先の見分け方はどのように決められているのでしょうか。
日常生活の中で、信号のない交差点を通過することは珍しくはありません。
ですが、慣れていない道でこのような交差点に遭遇するとどちらが優先かわからなくなることも。
SNS上では、「近所にどちらが優先かわからない道路がある」や「初めて通る道で信号のない交差点は優先がわからなくて怖い」との声が上がっています。
また、「どちらが優先かわからなくて止まれの標識がなくてもつい止まってしまう」という投稿や、「相手側が勘違いしていて事故になりかけた」という危険な投稿まで見られます。
交差点の認識が間違っていると事故を起こしてしまう可能性もあるため、どのような時に優先になるのか知っておくことが重要です。
信号機がある場合は、信号の色が青になっている道路が優先になりますが、そもそも信号がない場合はどうなるのでしょうか。
まずは、優先道路の標識があるか確認します。優先道路の標識は青地に白い横棒があり、縦方向の矢印のようなマークが交差している標識です。
この標識が道路にある方が優先ということになるので、自分が走行している道路にこの標識があった場合、特に速度を落とす必要はありません。しかしもちろん、周囲を確認して安全に運転することが大切です。
次に、前方優先道路の標識があるかどうかも確認しましょう。前方道路優先とは、道路に逆三角のマークが書かれた道路標識です。
このマークがあった場合、自分のいる道路に交差している方が優先ということになります。
優先道路を通行しているクルマの妨害をしないように、このマークを確認したら徐行や停止をし、譲れるような運転に切り替えましょう。
■住宅街で見かける「どちらが優先か分かりづらい道路」 その見分け方は?
住宅街や交通量があまり多くない道路では、優先の標識などがない道路もあります。そのような場合優先はどのように判断するのでしょうか。
まずはセンターライン(中央線)の有無です。どちらかの道にセンターラインが続いている場合、その道が優先道路となります。
次に道幅で判断する方法です。交差している道の幅が見てわかるほど異なる場合、広い方の道が優先です。
どちらにも中央線がある場合や道路の幅が同じくらいの交差点の場合、停止線や止まれの表示、一時停止の標識があるか確認しましょう。
もし自分の走行している道に一時停止があればその道が非優先となり、相手側の道路が優先ということになります。
道路の優先順位は、一時停止やセンターラインの有無で確認できますが、必ずしも全ての道路にそれらの表示があるとは限りません。
その場合の優先の判断方法として、警視庁の交通相談コーナーは次のように話します。
「特に道路に標識がない場合、道路交通法36条第1項により『左方優先』となります。
左方優先とは、より左側の道路が優先になるということです。例えば丁字路の場合、直進するクルマが優先となり右左折するクルマは一時停止する必要があります」
もしも優先道路を走るクルマを妨害すると、優先道路通行車妨害等に当たり普通車であれば反則金7000円です。
また、このような交差点で事故を起こした場合、原則の有無にも関わりますが、基本的に右側を走っていたクルマの過失が大きくなることがほとんどだそうです。
優先順位が不安だと思ったら、徐行することにより、事故を未然に防ぐことや事故発生時の被害を少なくすることが可能になります。
実際、道路交通法42条第1項により、左右の見通しが悪い交差点に入ろうとしたり、交差点内で左右の見通しが悪い部分を通行しようとしたりするときには徐行する義務が定められています。
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優先道路は標識や道路を見ることで見分けることが多くありますが、時には何も目印がない場合があります。
その場合は左方優先ということを覚えておくことで、慣れていない道でもどちらが優先か判断できるようになるでしょう。
また、左右の見通しがきかない道はもちろん、不安な場合は徐行をすることが重要です。