トヨタのコンパクトSUV「C-HR」は2023年7月に国内の販売を終了しましたが、欧州では2023年6月に2代目モデルが登場しています。ふたたび日本でも販売されることはあるのでしょうか。
■国内販売終了の裏でフルモデルチェンジを実施した「C-HR」
2023年7月に国内の販売を終了したトヨタのコンパクトSUV「C-HR」。一方欧州では、2023年6月に2代目モデルが登場し、さらに進化を遂げています。
ふたたびC-HRが日本で販売を再開することはあるのでしょうか。
初代C-HRは、トヨタの次世代世界戦略車のコンパクトクロスオーバーSUVとして、2016年12月にデビューしました。
ハイブリッドカーの先駆者「プリウス」(4代目)で初採用されたTNGA「GA-C」プラットフォームを使用し、斬新なデザインで登場。
デビュー直後はそのあまりにもアバンギャルドなスタイルに賛否両論巻き起こりましたが、月日が経つにつれ多くの人に受け入れられ、好調なセールスを記録しました。
世界100カ国で販売され、グローバルで支持を集めています。
2代目のエクステリアデザインは、現行型「プリウス」や「クラウン」に採用される、シュモクザメ(英名”ハンマーヘッド・シャーク”)にインスピレーションを得た斬新な「ハンマーヘッド」デザインのフロントマスクを採用。
リアも大胆な凹凸をもつアグレッシブなスタイルをしています。
パワートレインは、HEV(ハイブリッド車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)の2タイプを用意。HEVは、1.8リッターと2.0リッターの2タイプの直列4気筒エンジンをラインナップし、PHEVは2.0リッターのみが搭載されます。
駆動方式は2WD(FF/前輪駆動)で、2.0リッターのハイブリッドモデルのみに後輪モーター駆動の4WDが設定されています。なお、初代に設定されていた1.2リッターガソリンターボは廃止されています。
また2024年9月16日には、PHEVモデルにEV走行距離を最適化する「ジオフェンシング機能」を新採用。
現時点の運転データと過去の運転データを使用して、PHEVシステム機能を自動的に最適化する予測効率的ドライブシステムで、WTLP市街地モードで97-106kmのEV航続距離を実現させるものです。
環境への関心が特に高いEU諸国において、環境性能が高いトヨタ新型C-HRは非常に高い人気を獲得し、好調なセールスを記録しています。
■国内ではすでにコンパクトSUVが「飽和状態」!?
そんな2代目C-HRは、欧州トヨタのウェブサイトで「常識を覆すスタイル」と銘打たれるなど、個性の強さをアピールしていますが、ヨーロッパ諸国では好意的に受け入れられているようです。
また未導入の日本国内からも「かっこいい!」「日本でも早く売って欲しい」といった反響がSNSなどに多数寄せられています。
ただ今のところトヨタからは2代目C-HRの日本市場導入のアナウンスはなく、国内販売はないという見方が強い状況となっています。
一方で、2代目C-HRの意匠登録が日本の特許庁にされていたほか、右ハンドルの2代目C-HRが公道を走行している目撃情報がSNSで拡散されるなど、国内販売の可能性が高くなってきたのではと受け取れる動向も見られています。
初代は、日本のみならず世界中にコンパクトSUVを定着させた先駆者といえますが、今では無数のコンパクトSUVが各メーカーから登場しています。
フルラインナップをうたうトヨタの販売戦略により、コンパクトSUVは「ライズ」、「ヤリスクロス」の2モデルがあり、そのすぐ上には「カローラ クロス」がラインナップするという隙間のないモデル展開が広がり、もはや2代目C-HRが入る隙間がないようにも映ります。
しかし2代目C-HRには、スポーツグレード「GR SPORT」が設定されています。
このスタイリッシュなクーペスタイルで「スポーツSUV」というキャラクターは、市場拡大が続く現在の国内コンパクトSUVクラスにはまだないことから、まだ十分に活躍する「余白」があるともいえそうです。
再導入の期待をしても良いのではないでしょうか。