トヨタのコンパクトSUV「ヤリスクロス」に設定された100万円台の低価格なベースグレードに対し、SNSなどではさまざまな反響が寄せられています。
■安いだけじゃない! 「ヤリスクロス」最廉価グレードの装備とは
軽でも200万円台のクルマが増えているなか、100万円台の廉価なコンパクトSUVがトヨタから発売されています。
人気の「ヤリスクロス」に設定されたベースグレードに対し、SNSなどでは多くの声が集まっています。
ヤリスクロスは、2020年8月に同社のコンパクトカー「ヤリス」の派生モデルとしてデビューしたコンパクトSUVです。
全長4185-4200mm×全幅1765mm×全高1590mmというコンパクトサイズで、パワートレインは、1.5リッターハイブリッドと1.5リッターガソリンの2種類が用意されます。
駆動方式はFF(前輪駆動)に加え、ハイブリッド車には後輪モーター駆動の「E-FOUR」、1.5リッターガソリンには4WDが設定されています。
グレードは、「Z」「G」「X」の3タイプと、アウトドア志向の強い「Z Adventure」、スポーツモデル「GR SPORT」で構成されます(このほかに、サブスク「KINTO」専用の「U」も設定されています)。
なかでも狙い目は、もっともベーシックなXです。
ガソリン・2WDの車両価格(消費税込み)は190万7000円で、今どき貴重な100万円台で買えるSUVの1台となっています。
大きな違いは、Z系がLEDヘッドランプなのに対し、G・Xはハロゲンヘッドランプとなる点。ただし両方ともプロジェクター式の形状なため、見た目の上では判別しづらいものです。
このほか外観上では、Z系だけにラジエーターグリルにピアノブラック加飾が施されるのと、Xのタイヤサイズが一回り小さい16インチスチール(ほかは16ないし18インチのアルミホイール)となる点、あとはドア下のモールディングに車名プレートが付かないといった違いがあります。
一方で、ヤリスシリーズで新開発されたコンパクトクラス向け「TNGA-B」プラットフォームによる高い安全性や操縦安定性の高さは全モデルで共通。
1.5リッターガソリンエンジンやダイレクトシフトCVTも同時に新開発され、スムーズな加速や燃費の良さも特徴です。
また衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール(ACC)を始めとする、後付けができない先進安全技術「トヨタセーフティセンス」は、Xも標準装備なのが嬉しいところ。
他グレードに標準もしくはオプション装備されるブラインドスポットモニター(BSM)と降車安心アシストのみ省略されますが、それ以外は十分な装備です。
内装は、Xのみ加飾が簡素化されるほか、フロントシートはヘッドレスト一体型となるのが大きな違いです。
また装備面ではエアコンのマニュアル化やオーディオレスといった違いがあります。
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そんな“シンプル”な仕立てのヤリスクロス Xに対し、SNSなどではさまざまな反響が寄せられています。
多かったのは「これでイイ」「十分すぎます」「ACCが標準ってだけでスゴイ」など、これで十分だと賛同する意見。
いっぽうで「ハロゲンランプやマニュアルエアコンはイヤだ」「簡素なのはさみしい」といった声や、「(オーディオやナビを追加したら)結局高くつきそう」とのコメントもあり、否定的な声も見られます。
「安全装備はケチっていないのが評価できる」との声に代表されるように、価格の安さだけがウリのグレードではないのは確かで、ヤリスクロスの購入を考えているなら、検討の価値は十分にあるグレードといえそうです。