まもなく2025年の「東京オートサロン」の開幕が近づいていますが、前回の「東京オートサロン2024」でも、数々のコンセプトカーが公開。なかでも埼玉自動車大学校が披露した「S-FRコンバーチブル」も注目を浴びました。
■トヨタ製じゃない「S-FR“コンバーチブル”」?
毎年、来場者の想像を上回るカスタマイズカーが多く展示される「東京オートサロン」。まもなく2025年のオートサロンの開幕が近づいていますが、その前に過去のオートサロンで注目を集めた車両を振り返ってみましょう。
今回は前回2024年のオートサロンで、埼玉自動車大学校が展示した「S-FRコンバーチブル」をご紹介します。
車名にもなっている「S-FR」とは、2015年の東京モーターショーにトヨタが参考出品した、コンパクトなボディを持つライトウェイトFRスポーツのコンセプトモデル。
発表当時は大反響となり、翌年の東京オートサロンではTOYOTA GAZOO Racingがレーシングカスタムを施した「S-FR Racing Concept」も登場し、発売を期待する声が多く上がりました。
実際に発売に向けて開発がなされていたという話もあったS-FRでしたが、その後は音沙汰もなく、残念ながら開発が中止となったという見方が大半を占めています。
そんなS-FRですから、当然ながら市販モデルは存在していないワケですが、S-FRのコンバーチブルが存在するというのは一体どういうことなのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実はこのS-FRコンバーチブル、ベースとなっているのはマツダ「ロードスター」3代目のNC型となっており、それにS-FRらしい前後のエクステリアをドッキングさせたというカスタマイズカーなのです。
とはいえ前述したようにS-FRはコンセプトカーのみが発表されたモデルであるため、エクステリアのパーツは市販されていません。
そこで埼玉自動車大学校は、すでに存在している車種の中からS-FRのイメージに合致したパーツを選定して装着することで、S-FRを表現したのでした。
具体的にはヘッドライトはBMW MINI用、テールライトはダイハツの軽自動車である「キャスト」用を使用し、S-FRに似せながらも実際に灯火類として使用が可能なものとしています。
そして大きく変えられた前後に合わせてフロントフェンダーやリアフェンダーなどもロードスターとは異なる形状のものに作り替えているため、一見するとベース車がロードスターであることに気付かないほどの仕上がりとなっていました。
一方のインテリアはMOMO製のステアリングやBRIDE製のフルバケットシートが備わる以外は基本的にNC型ロードスターのオリジナルのままとなっていますが、元々無駄を廃した機能美溢れるインテリアが魅力のロードスターだけに、S-FR風のルックスにも違和感なく溶け込んでいます。
残念ながらS-FRは開発中止となった線が濃厚となっていますが、このようなS-FRを再現したボディキットなどが販売されることを期待する人は少なくないのではないでしょうか。