2024年11月23日-24日に静岡県で開催された「ランドクルーザーズ・ミーティング」。そこでは、ランクルを手掛けるトヨタ車体が「謎のランクル70」を展示していました。
■ランクルを手掛けるトヨタ車体が「謎のランクル70」を展示
珍しいトヨタ「ランドクルーザー70」の2ドア&オープン仕様が日本で展示されました。
展示したのはトヨタ車体・吉原工場だと言いますが、どのような個体なのでしょうか。
日本最大のランドクルーザーファンの祭典「ランドクルーザーズ・ミーティング(主催ランクル友の会)」。
第38回は、トヨタユナイテッド静岡が運営する「朝霧キャンプベースそらいろ」で開催されました。
新旧様々なランクルが集まることで知られるこのイベントですが、今回はランクルのふるさとであるトヨタ車体・吉原工場がブースを出展。
会場に、輸出仕様である3台のレアなトヨタ「ランドクルーザー70」を展示しました。
日本に並行輸入もされている多人数運搬車「76トゥループキャリア」をはじめ、「79ピックアップトラック・シングルキャブ」、そして「71ソフトトップ」の3台は会場に花を添えます。
中でも来場者の目を惹いたのが、71のソフトトップです。
ソフトトップモデルは、日本でも70系の第一世代に設定されていたボディバリエエーションで、当時は70の型式でした。
運転席&助手席の上から後部が幌で覆われており、後部左右には横2名掛けのベンチシートが備え付けられていました。
また、日本では法規上不可でしたが、フロントウインドゥをジープのように倒すことも可能です。
今回展示された71ソフトトップは、2023年のモデルチェンジ後の第三世代と言われるモデルのマスクですが、細部をチェックするといろいろと面白い部分があります。
まずヘッドライトですが、丸形ではあるものの、日本やオーストラリア、中東でお馴染みのLEDはなく、ハロゲンタイプが装着されています。
リアコンビネーションランプも、日本とは違って旧来からの縦型が使われており、当然ながらバンパー内にそれはありません。
メーターに速度計と回転計が同じ大きさである第二世代のものを使っているのも面白い点です。
速度計が大きな現行型のデザインが合わない地域の仕様なのかもしれません。
助手席にエアバッグは装着されておらず、代わりにグローブボックスとアシストグリップが付いているのも、この車両の特徴のひとつです。
タイヤは輸出モデルではお馴染みの225/90R16サイズのリブラグで、日本のユーザー垂涎のグレー色のスチールホイールが組み合わされています。
長距離を走ることが余儀なくされる地域なのか、背面スペアタイヤの脇に無塗装のジュリ缶(携行缶)が付いているのも、ファンの心をくすぐります。
ミッションはMTで、搭載エンジンは不明ですが、回転計のスケールから想像するに、日本仕様と同じ2.8Lディーゼルターボエンジンかもしれません。
車内はショートボディながら、前2名、後4名が座れるようになっており、将来的には日本の自衛隊もこの仕様を採用するのではと想像が膨らみます。
ちなみにどこの仕向け地向けは非公開とのことでしたが、右ハンドルであることやソフトトップであることを考えると中東の可能性は低いと、ランドクルーザー70の並行輸入を行っている「PUTデポ」の金原崇雄社長は言います。
「サウジアラビアやUAEといった産油国では、高温になることや砂漠があることからメインの需要はハードトップ。
中東でも東ではソフトトップを使っている地域があるかもしれませんが、右ハンドルの国はないですね」(金原崇雄社長)
可能性としては、左側通行の多いアフリカ向けなのかもしれません。
アフリカの雄大なサバンナを、吉原工場発の71ソフトトップが疾走するシーンを想像するだけも、ランクルファンとして胸が踊るのではないでしょうか。