年末年始は利用者が増加する「夜行バス」。トラブルになりかねない「マナー違反」とはいったいどのようなことでしょうか。
■車内での「食事」はつつしみましょう
年末年始の移動に「夜行バス」を利用する人も多いでしょう。なかには今回はじめて使うケースもあるかもしれません。
そんな初心者ユーザーが「うっかり」起こしがちな「トラブル」とは、いったいどのようなことでしょうか。
公益社団法人日本バス協会が発行する「2022年度版 日本のバス事業」では、高速バス(昼行・夜行)の利用者(年間輸送人数)が公開されています。
これによると、最も古い記録の1966年から年々増加し、利用者のピークは2016年の1億1574万人。
それ以降は微減しつつ推移していますが、直近の2020年では9735.3万人の利用者数を記録するなど、今なお夜行バスの利用者は非常に多い状況といえます。
そんな夜行バスですが、利用客のマナー問題も指摘されています。
SNSなどでたびたび話題に上がるのは、飲食による匂いや音のトラブルです。
コロナ禍以降は、車内での飲食を禁止するケースも増えています。
ちなみに高速バス大手のWILLER(ウィラー)グループは、次のようなルールを定めています。
「車内で飲食の際は、においの強いもの(アルコール含む)や、音の出るものはお控えください。
また、夜行便では、消灯後の食事はお控えください」
そんななか、こっそり匂いのきついファストフードをつまんだり、音のするスナック菓子を食べたりする人が後を絶たないといいます。
夜行バス車内での「飯テロ」は迷惑でしかありません。
そしてこちらも地味に気になるのが「スマホ」の光です。
カーテンなどで仕切られているとはいえ、消灯した車内でスマホの画面の明かりは非常に気になるところ。
タブレットは特に画面が大きいので、迷惑の範囲も広がります。またゲームの操作で腕などが動き、周囲の座席の人に不快感を与えることも。
スマホなどを操作するときは、周囲の人への配慮を忘れないようにしましょう。
■カバンから落ちた小物が転がり思わぬトラブルになるケースも
夜行バスは基本的に就寝しての移動となるため、リクライニングするのが普通です。
新幹線ではリクライニングに関するトラブルが聞かれますが、シートを倒すのが前提の夜行バスでは、そこまではなさそうです。
ただ特に廉価な夜行バスや、繁忙期の続行便などに臨時で使用される片側2列の狭い4列シート車の場合には、シートを倒す前に後席の人へ会釈するなりして、少しのコミュニケーションを取ったほうが双方気持ち良く乗車できるでしょう。
またSAなどの休憩では、バスから降りる前にリクライニングを元に戻して、後席の人に配慮するのもマナーといえます。
荷物に関するトラブルも聞かれます。
大きな荷物を足元に置いたり、頭上の収納ボックスを過度に占領するようなことはマナー違反です。大きな荷物は、必ず乗車時にトランクへ預けましょう。
また荷物の転がりもトラブルのもとです。動く車内で落ちてしまったらどこへ転がるかわからず、非常に危険です。
カバンのポケットなどからうっかりモノを落とさないよう、じゅうぶんに気をつけましょう。
最後に、深夜のSAにおける休憩時のトラブルを挙げておきます。
決められた出発時間に遅れると、当然ながら運行スケジュールに影響が及びます。
乗務員から「出発時間に遅れると置いていきます」といった主旨のアナウンスがありますが、実際は遅れた人がいるとしばらく出発を待つことが多いようです。
そして慌ててバタバタ音を立てながら車内に乗り込むのもマナー違反。時間に余裕を持った行動を心がけましょう。
※ ※ ※
夜行バスは公共交通機関ですが、出発から目的地に到着するまでは「団体行動」に相当します。
くれぐれもマナー違反にならないよう注意のうえ、夜行バスの旅を楽しんでください。