日本で2018年に販売終了したトヨタ「クラウンマジェスタ」ですが、サウジアラビアで復活しています。ユーザーからの反響にはどのようなものがあるのでしょうか。
■トヨタ「クラウンマジェスタ」登場! 海外でブランド再興か
1991年から2018年まで日本で販売されていたトヨタ「クラウンマジェスタ」。
実はひそかにその車名が復活を遂げていました。
日本で2018年に販売終了したトヨタ「クラウンマジェスタ」ですが、サウジアラビアで復活しています。
クラウンマジェスタは「マジェ」という愛称とともに、高級セダンとして上質な乗り心地と走行性能が高く評価されていたクルマです。
1991年に9代目クラウンが登場した際に、専用ボディを持つ初代クラウンマジェスタが設定されました。
マジェスタは偉大さ尊厳を意味する「マジェスティ」から名付けられています。
専用のボディサイズを設定し、全長4900mm×全幅1800mm×全高1420mmで、通常クラウンのボディと比べて全長と全幅が大きくなっています。
4輪ダブルウィッシュボーン式電気制御サスペンションに新開発の防振サブフレームを採用し、上質な乗り心地と静粛性を実現。
また、エンジンにはハイパワーかつ静音性に優れる4リッターV型8気筒エンジンを搭載しています。
その後に登場した2代目クラウンマジェスタでは、後にアイデンティティーとなる縦型テールランプを採用。
初代クラウンマジェスタの丸みを帯びた優雅なデザインではなく、直線的スタイリングを獲得。これにより初代よりも大きく迫力のあるモデルとなりました。
3代目クラウンマジェスタでは、ハードトップ構造からセンターピラーが取り付けられ、セダンタイプへと変化。
その後も4代目、5代目と改良が加えられていきますが、2013年に登場した6代目ではこれまで設定されていたクラウンマジェスタ専用のボディが廃止され、ホイールベースが75mm延長されているのみです。
ただ延長部は全て後部座席のスペース確保に充てることで、乗員の膝まわりや足元のスペースを確保しています。
加えて初代より受け継いできた、V型8気筒エンジンが搭載されなくなり、環境性能と3.5Lハイブリッドシステムを装備しています。
そして2018年の15代目クラウン登場時にクラウンマジェスタは廃止されました。
2022年に登場した16代目クラウンにおいても、日本国内でその名は復活していません。
この背景にはユーザーの趣味嗜好や市場環境が変化したこによる「国産最高級車」という概念自体があまり意味を成さなくなったことが要因のひとつと考えられます。
そんなクラウンマジェスタですが、遠く離れた中東の国、サウジアラビアにてその名前が16代目クラウンの最上級グレードの名として2023年に復活。「マジェスタ」の名前としては2018年から5年ぶりです。
なおサウジアラビアのクラウンは、現在日本名クラウンクロスオーバーのみとなり、現地では「クラウン」の車名で販売されています。
現地グレードとしては「プレミアム」と「マジェスタ」が存在します。
なおプレミアムは2.5LハイブリッドシステムのFF、マジェスタは2.4L 4気筒ターボハイブリッドシステムの4WDとパワートレインが異なっています。
こうしたことからサウジアラビアで販売されているクラウンマジェスタと、かつて日本で販売されていたクラウンマジェスタの間には直接の関係はないと言わざるを得ません。
それでも、クラウンに「マジェスタ」という名が復活したことは事実ですが、16代目クラウンの中東仕様にマジェスタの名前が与えられたことに対して、日本のユーザーからはどのような反響があるのでしょうか。
SNSなどでは「マジェスタが復活してくれて嬉しい」「サウジアラビアで復活したの!?」「昔マジェスタに憧れた」「マジェスタ懐かしい。2世代乗り継いだなぁ…」といった、遠く離れたサウジアラビアで復活したことに対する反響が多くありました。
一方で、「SUVじゃなくてクロスオーバーでマジェスタかぁ」や「これはマジェスタじゃない感じがする」といったクロスオーバーで復活した点に違和感を覚える声もありました。
また、サウジアラビアのユーザーからの声として「いいクルマだ」という声とともに「高い……」という声も見受けられます。
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現地での新たなクラウンマジェスタの販売価格は日本円で850万円です。
サウジアラビアで復活を遂げたマジェスタ。実はトヨタは海外で懐かしの車名が復活することが多々あります。
とくに南アフリカでは、「スターレット」「ヴィッツ」「ルミオン」などです。
その理由として、以前に豊田通商は「南アフリカに中古車として流通していたことで車名の知名度があったことが挙げられます」と話していました。