トヨタ車体は「ジャパンモビリティショー2023」で、特徴的なコンセプトカー「X-VAN GEAR CONCEPT」を発表していました。どのようなクルマだったのでしょうか。
■まるで秘密基地のようなマルチバン!「クロスバンギア」
世界中で開催されるモーターショーでは、様々なコンセプトカーが披露され注目を集めますが、トヨタ車体は「ジャパンモビリティショー2023」で、特徴的なコンセプトカー「X-VAN GEAR CONCEPT」(以下クロスバンギア)を発表していました。クロスバンギアの魅力と、どのような反響があったのかをご紹介します。
トヨタ車体は、トヨタ車の企画や開発・生産を行うメーカーで、「アルファード/ヴェルファイア」、「ノア/ヴォクシー」、「グランエース」や「ハイエース」など、様々なトヨタ車を担当してきました。
そんなトヨタ車体が発表したクロスバンギアは、乗用ミニバンの広い車内空間と、SUVならではのオフロード性能を兼ね備えています。「ミニバン」と「SUV」、両者の良いところを足したSUVミニバンのようなモデルです。
トヨタ車体によるプレスカンファレンスでは、「家族や仲間とのくつろぎのリビングにもなり、趣味の世界をじっくり楽しむ秘密基地にもなるマルチバン」と称されています。
公表によると、クロスバンギアのボディサイズは全長4695mm×全幅1820mm×全高1855mm。ノアやヴォクシーと比較してみると、全長は同じサイズ、全幅はクロスバンギアが90mmワイド、全高はノアやヴォクシーよりも40mm低いです。
室内空間は、長さ2965mm×幅1550m×高さ1340mmとゆとりのあるスペースが確保されています。
エクステリアは、近未来を連想させるデザインに力強さをかけ合わせたもの。角ばったスタイリング、つや消しブラックのバンパーやフェンダー周りなどからはタフな印象も感じられます。
一般的なスライドドアのようなレールは存在せず、アイシンが新開発した「リンク式パワードアシステム」のようなものが採用された点も特徴的。リンク式パワードアシステムは2023年9月に世界初公開された「センチュリーGRMN」にも採用された技術です。
クロスバンギアではこの新たなドアに加え、Bピラーも存在しない特殊な構造も採用されています。前後ドアを開ければ遮るものがない状態となり、開放的な開口部がお目見え。乗り降りも容易な構造で、ミニバンとしての実用性も高められています。
また、全体的に大きく見えるデザインですが、実際にはミドルクラスと言えるサイズ感です。
インテリアは全体的にシンプルなデザインで、エクステリアと同じく近未来を連想させる造りが随所に採用されています。
インテリアで特筆すべきは、多彩なシートアレンジでしょう。3列シートの2列目は左右独立式、3列目にはベンチタイプを採用。2列目シートを折り畳むと「テーブルとして使える機能」や「180度回転する助手席」により、リビングルームのような車内空間にアレンジ可能です。
そしてBピラーレスの車体構造では、前後席へのアクセスがしやすい点や、大きな荷物を横から積載できる点も特徴的。スキー板やスノーボード、サーフボードやゴルフバッグなどを積載するのも容易でしょう。
また、座席から上を見上げれば開放的なパノラマルーフが広がります。キャンプや車中泊などの車内で寝泊まりするシーンでは、クロスバンギアならではの開放感も体感できるはずです。
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市販化が期待されるクロスバンギアについて、情報サイトやSNSにもさまざまなコメントが集まっています。
「クロスバンギアかっこいいですよね」「めちゃ使えそう」「クロスバンギア、中も素とも可愛すぎる」「車中泊しつつ旅するにもバッチリ」
SUVミニバンといえるコンセプトには、好感度の高いコメントが多く見られました。
また、市販化を熱望するコメントも多数で、「ノアヴォクよりも、クロスバンギアが発売されたら予約する」「トヨタさん、いつクロスバンギア発売するんですか」「早く予約させてください」「クロスバンギア待ってますよトヨタさん」など、発売を今か今かと待っている方も多いようです。
今のところ市販化の発表されていないものの、2024年3月に特許庁へ意匠登録が行われたことで市販化が予想されています。クルマの意匠登録から市販化までは1〜2年を要することを考えると、2025年に発売されるのではとの声もあがっています。
また、実車が展示されたのは、クロスバンギアだけですが、このクロスバンシリーズが、「クロスバン コア」、「クロスバン ツール」の3種類が存在します。
クロスバン コアはミニバンのような多人数移動を目的としたワゴン、クロスバン ツールは趣味の相棒として使える積載性を重視した仕様で、シートレイアウトが2+1の3名乗車仕様となっています。